第601回 飲食店の値上げについて|経営相談室のなかのひと|大阪の中小企業支援機関。 大阪産業創造館(サンソウカン)

飲食店の値上げについて

  • 飲食店の倒産が増加
  • 物価高騰への対応
  • 値上げへのチャレンジ

飲食店の倒産が増加

ある信用調査会社のレポートによると、2026年上半期の飲食店の倒産が過去最多を更新したとのことです。「食材費などの物価高騰・賃上げによる利益圧迫や、人手不足など、急激な環境変化に対応できず、今後、飲食店が淘汰されていくのではないか」とそのレポートには書いてありました。

つぶれる前に値上げに挑戦してください

つぶれる前に値上げに挑戦してください

先日、ある飲食店を訪問し店主と話していると、食材を配達にきた人が店主にメモを渡しました。あとで店主にメモを見せてもらうと、メモには翌月からの値上げが書かれており、値上げ前に発注するように助言されたとのことでした。店主は「こんなことばかりです」と苦笑いしていましたが、あまりに深刻な経営環境に言葉が出ませんでした。

物価高騰への対応

物価高騰に対して、飲食店はどうすればいいのでしょうか?
飲食店で料理人として勤めている人に話を聞くと、「まずは自分達の技術や仕入れの工夫で、お客さまの満足度を維持しながら、価格も維持する努力をしなければならないし、それをするのが仕事だ」と言っていました。一方で、「自分達の店は高価格帯だから工夫の余地があるが、単価の低い店はそもそも工夫の余地が小さく厳しいだろう」とも言っていました。
実際、冒頭の店主も、安い食材を探しまわったり、人件費を削ったりと、価格維持のためにあらゆる努力を払っていますが、物価上昇分を吸収しきれず、自らの利益を削り続けていました。

値上げへのチャレンジ

日本の政策を見ていると、物価上昇が当面継続すると思われるため、自分の利益を削って価格を維持している飲食業者は、いずれ立ち行かなくなります。したがって、思い切って値上げにチャレンジしなければなりませんし、チャレンジするなら、体力の残っている早い段階、できれば今すぐ、ということだと思います。つまり、値上げしても、ついてきてくれるお客さまがいることに賭けるということです。場合によっては、今までの顧客層の中で、離れてしまう人達が出てくるかもしれません。そういう意味で、値上げするということは、お店が顧客を選別するという側面もあるのです。

経営相談室 スタッフコンサルタント 泉が担当しました。

▼泉 仁史(いずみ ひとし)へのご相談(面談)

(2026年10月7日公開)

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