こんにちは、経営相談室の谷口です。

お金をかけずに業務を改善しませんか?
普段は中小企業診断士として製造業の皆さまを中心に、ノーコードを活用した業務アプリ導入のアドバイスをしていますが、先日、物流会社の方から「ITを使って現場の管理をもう少しスムーズにできないか」とご相談を受けました。
物流の現場には特有の課題がありますが、多額の費用をかけずともノーコードという手法が非常に有効でした。今回はその支援事例をもとに、現場を「見える化」し、お客さまへの対応力を高めるヒントをお伝えします。
ご相談いただいた運送会社では、「車両の現在地把握」「配車管理」「案件管理」の3点をいかに効率的に行うかが課題でした。特に荷主様からの「今、荷物はどこですか?」という問合せに対し、毎回ドライバーに電話確認して折り返す手間が発生していました。
高額な専用GPSシステムを導入すれば正確な位置を把握できますが、多くの中小企業にとってコストが壁になります。そこでお勧めしたのが「チェックポイント方式」です。配送ルートの拠点(出発、積み込み、休憩、納品完了など)で、ドライバーがスマホのボタンを1タップするだけの仕組みです。詳細な現在地は分からずとも、「今は積み込みを終えて移動中です」とおおよその状況を即座に回答でき、荷主様の安心感につながります。
物流現場で負担になりやすいのが、どのドライバーにどの案件を割り振るかという「配車」の判断です。
今回の支援では、荷主様からの問合せ(案件受付)から実際の運送、完了報告までを一貫してデジタルで管理できる仕組みの構築を助言しました。これまで手書きメモや個人の記憶に頼っていた案件情報と、ドライバーの稼働状況を一覧で表示します。
情報が「見える化」されることで、配車担当者は「誰が今動けて、次に誰が対応できるか」を即座に判断できます。急な配送依頼が入った際も、現場に過度な負担をかけることなく的確な配車が可能になります。
こうした仕組み作りに役立つのが、プログラミング知識不要でアプリを作成できる「ノーコード」です。
専用端末は不要で手持ちのスマートフォンで運用を始められます。また、機能を最小限に絞り込むことで、IT操作に不慣れな現場スタッフでも迷わず使える画面に仕上げることができます。
自社の業務の流れに完全に合致する既製品のシステムを見つけるのは困難です。しかし、ノーコードなら「この入力項目は削ろう」といった現場の声をスピーディーに反映させ、独自の仕組みへと「育てていく」ことが可能です。
まずは大きな投資を考える前に、今の不便なポイントを「小さな仕組み」で解消できないか検討してみてはいかがでしょうか。
経営相談室 スタッフコンサルタント 谷口が担当しました。
▼谷口 睦(たにぐち むつみ)へのご相談(面談)
(2026年6月17日公開)
この記事に関連する大阪産業創造館のコンテンツ