みなさん、こんにちは。経営相談室の谷口です。
最近、スマートウォッチを購入して、無駄に時計を見ている毎日です。
時計でメールをチェックする時代が来るなんて、昔の人は想像もしていなかったでしょう。
誰でもイノベーションを起こす創造力を持っています!
さて、みなさんはイノベーションを起こすような商品というのは、一部の天才しか生み出せないと考えていませんか?
そこで今回は、iPhoneの開発時にも用いられたという新しい価値を創造する手法「デザイン思考」をご紹介します。
この手法を使えば、みなさんもイノベーションを起こすような商品を生み出せるかもしれません!?
デザイン思考とは、人々が持つ根本的な問題や悩みを解決するための考え方です。
新しい価値を創造する力というのは誰でも持っていて、その引き出し方をアメリカのコンサルタント会社が理論立てて提唱したことが始まりです。
このデザイン思考が注目を浴びている背景として、「顧客自身が必ずしも本当に欲しい商品を理解しておらず、その商品が提供されて初めて欲しいという感情が生まれる」ということにあります。
従来のプロダクトアウト・マーケットインの考え方では、そのような潜在化しているニーズに対応した商品開発は困難ですが、デザイン思考は行動観察などを通して、顧客自身が気づいていない課題・問題点を特定し、その解決策をプロセス化したものになります。
デザイン思考は以下のプロセスで構成されています。
□共感
顧客への深い共感により、本人の気づいていない不安・不満・不便や問題点に気づきを得ます。
その方法として、「行動観察」、「顧客と同じ体験をする」、「デプスインタビュー」などがあります。
□問題定義
共感で得た情報をもとに、顧客にどのような問題があり、どの問題点に着手するかを決めます。
その方法として、「ペルソナの設定」、「カスタマージャーニーマップ」などがあります。
□アイデア創出
アイデア発想法を使って、問題解決のアイデアを考えます。
その方法として、「ブレインストーミング」、「KJ法」などがあります。
□プロトタイピング
問題解決できる商品の試作品を開発します。
「ストーリーボード」、「紙や粘土の試作品」など、コストをかけずスピーディに製作し、失敗する点に素早く気付き、顧客への理解を深めることがポイントです。
□テスト
顧客に実際に利用してもらうことで、評価検証を行います。
その方法として、「モニター会」、「クラウドファンディング」などがあります。
デザイン思考は誰にでも取り組めますが、一定の成果を出すにはトレーニングが必要です。
そこで簡単にできるトレーニング方法をご案内します。
それは「共感」のプロセスでお伝えした行動観察です。
人がいるところには必ず行動があり、その行動には意味があります。それらを観察するクセをつけましょう。
例えばスーパーに行ったときに買い物客の行動を観察する、飲食店に行ったときに店員の行動を観察する、などです。
そして、観察対象の発言・行動から、その観察対象が何を思ったのか、どう感じたかを客観的に類推します。
その中に斬新なもの、意外・予想外なもの、矛盾したものがあれば潜在的ニーズが潜んでいる可能性があります。
それらを日常的に行うことで、観察眼が磨かれ、顧客が抱える真の問題点に気づくことにつながります。
新商品を検討している方は是非、デザイン思考を実践してください。
また実践方法、進め方に不安がある方は経営相談室にご相談ください。
経営相談室 スタッフコンサルタント 谷口 が担当しました。
谷口 睦(たにぐち むつみ)のプロフィールはこちらからご覧いただけます。
→ 谷口 睦(たにぐち むつみ)のプロフィール
(2020年11月11日公開)
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