「知的資産」という言葉に聞き覚えはありますか?
よく似た言葉に特許などの「知的財産権」がありますね。
「知的資産」とは、決算書上には表れない目に見えにくい無形の資産を言います。
例えば、社長のリーダーシップやベテランのもつ技術といたった人材の持つ力、組織風土や事業運営の仕組み、顧客・仕入れ先などのネットワークやブランドなど、企業の強みとなる資産が挙げられます。
よって、「知的財産権」も強みにつながる目に見えない権利ですので、「知的資産」に含まれます。
「知的資産」は大きく3つに分類されています。
これらは、日々の業務活動の中に息づいているものの、あえて意識しなければ、当り前と思い、ついつい見過ごしてしまう資産なのです。
前述のように、事業者の持つ強みとなる知的資産を認識したうえで、それらを有効に組み合わせて活用していくことを通じて、業績や企業価値の向上につなげていく経営を「知的資産経営」といいます。
数ある競合の中から選ばれるためには、他社との違いを打ち出す差別化が必要となります。 差別化を打ち出す方法として、すでに持っている知的資産を活用することにより、他社と比較してどのような点に優位性があるのか、コストをかけずとも打ち出すことができます。
この「知的資産経営」は、中小企業が経営力を向上させるための有効な手法であるとして、経済産業省も普及に力を入れています。
詳細は経済産業省「知的資産経営ポータル」をご参照ください。
→ 経済産業省「知的資産経営ポータル」
知的資産は見えざる資産ですので、見える化することが必要です。
過去から現在までどのような知的資産を培ってきたか、そして、将来どのような価値をお客様に提供したいのか、そのためには、どんな知的資産を獲得・強化していかなければならないのか、過去・現在・未来の一連のつながりを「価値創造ストーリー」という一枚の図で示すことによって、見えざる資産を見える形にすることができます。
さらには、より詳細に「知的資産経営報告書」としてとりまとめ、企業内外の関係者に対するコミュニケーションツールとして活用することもできます。
最近、私は経営者の方と中期経営戦略の立案する際に、この「価値創造ストーリー」をもとにお話ししています。
過去から現在、そして将来に至るまでの流れが俯瞰できるので、自社の強みが何か、将来像を検討する時に何が必要か、軸がぶれていないかなどを確認するためのコミュニケーションツールとしても重宝しています。
10月には、この「価値創造ストーリー」に落とし込んで中期経営戦略を策定するワークショップを開催します。
定員6社となっていますので、ご関心がおありの方はぜひご検討ください!
→ ワークショップの詳細はこちら
※こちらのワークショップは終了いたしました。
経営相談室 スタッフコンサルタント 東 純子が担当しました。
▼東 純子(アズマ ジュンコ)のプロフィールはこちらからご覧いただけます。
→ 東 純子(アズマ ジュンコ)のプロフィール
(2014年9月3日公開)