中小企業の経営者・起業家の皆様を支援する機関。大阪産業創造館(サンソウカン)

あきない・えーどのなかのひと
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これからは男性も!育児休業のあれこれ。

  • 育児休業は法定休暇
  • 男性の育休取得率は7.48%
  • 育児・介護休業法が改正。令和4年4月から順次施行

育児休業は法定休暇

みなさん、こんにちは。経営相談室の高松です。

本格的に暑い季節が到来!ですが、 年々暑さが体に堪えるようになり、ここ2か月はすっかり走らなくなってしまいました…。オリンピックという大型スポーツイベントがあるにもかかわらず、私の心は「当面自分が参加するようなマラソン大会はないし…」という言い訳が渦巻いております。

制度は、使えてこそ価値がある!

制度は、使えてこそ価値がある!

1年以上続いたコロナ禍も、ワクチン接種が進みはじめ、新たな局面に進んできたように感じます。この間、「働き方」という意味では、テレワークの導入が進み、「ワーケーション」なんて言葉も聞くようになりました。オンラインでの会議・打ち合わせもすっかりお手のもの、という方も多いのではないでしょうか。通勤時間が無くなった分、副業にチャレンジ!など、新しい働き方の可能性がいろいろ見えてきたという面もあったように思います。

さて、そんな労働環境の変化も踏まえて、今回は、前回の有給休暇に関連して、「育児休業」を取り上げてみたいと思います。

働く人にとっての休暇は、法律で決められている「法定休暇」と、それぞれの事業者が独自のルールとして定めている「特別休暇」の2種類があります。

法定休暇は、言ってみれば最低条件。たとえ社内のルールで明示がされていなくても、日本で働いている人は、法律で決められている法定休暇を取得する権利があります。

育児休業は、法律で定められている休暇の一つ。育児・介護休業法5条には「労働者は、その養育する一歳に満たない子について、その事業主に申し出ることにより、育児休業をすることができる。」と定められています。

お気づきでしょうか?法律では「労働者」であることが条件で、「男女」については規定されていない。つまり、男性も育児休業を取得することができるんです。

「うちの会社には制度がないから」なんてお声を聴くこともありますが、育児休業は「法定休暇」である以上、事業者が就業規則などで決めていなかったとしても、法律が最低基準。だから、現状では「条件に該当する男性労働者は、日本全国どんな事業所で働いていたとしても、育休を取得できる可能性がある」ことになります。

男性の育休取得率は7.48%

ところで、当の男性は育児休業の取得についてどのように考えているのでしょうか。

少し古い調査ですが、公益財団法人日本生産性本部が行った「2017年度 新入社員 秋の意識調査」では、「子どもが生まれたときには育児休暇を取得したい」という質問に対して、男性の 79.5%が「そう思う」と回答しています。

新入社員を対象とした調査ですので、働く男性全体の意識がどのように変わっているかはわかりませんが、2011年の調査開始から一貫して60%以上が「そう思う」と回答しており、「そう思う」と回答する率は上昇傾向にあります。このことから、若い世代では「育休を取りたい派」が多数を占めているようです。

その一方で、取得実態はどのような状況でしょうか。

厚生労働省の実施している「令和元年度雇用均等基本調査」の結果によれば、男性の育児休業取得率は7.48%。
同時期の女性の育児休業取得率が83.0%であることを考えると、男性にとってはまだまだ「育休は少数派」というのが現実のようです。ちなみに、1年前の同調査では、男性の育児休業取得率は6.16%でしたので、上昇傾向にはあります。

また、男性の育休取得日数となると、実は5日未満が大半。育休取得自体が少数派の上、取得したとしてもごく短期間のみ、というのが実態のようです。

育児・介護休業法が改正。令和4年4月から順次施行

一昔前、昭和の時代では、男性の育休どころか、「女性は結婚したら退職」が当たり前とさえ思われていました。それが、男女雇用機会均等法などの法改正もあり、平成の時代には、結婚・妊娠・出産といったライフイベントを前提にしつつ働き続ける女性が増え、それが社会でも認識されてきました。そして、令和の時代には「育休を取得したい」と考える男性も増えてきている、というところまで変化してきました。

2021年6月には育児・介護休業法が改正され、順次施行されます。
まず令和4年4月からは
●育児休業を取得しやすい雇用環境の整備(研修、相談窓口設置等)
●妊娠・出産(本人または配偶者)の申し出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置
が事業主の義務となります。

つまり「男女を問わず、育児休業を取れることを知ってもらうこと・取得の意向があるかどうかを聞くこと」が、まず企業に求められている、といえます。

育休を取得したいという男性が増えている中で、男性の育休取得率の低さ、取得日数の短さが示すものは、まだまだ制度と意識がつながっていない、ということなのかと思います。大事なのは『制度がある』ことだけでなく、『制度が使える』こと。

「男女を問わず、育児休業を取れることを知ってもらうこと・取得の意向があるかどうかを聞くことが義務になる」というのは、わずかな変化に過ぎないかもしれません。ですが、わずかな前進が、いつか大きな変化を生み出します。

男性社員が配偶者の妊娠・出産を報告したときに、「おめでとう!育休はいつから取得する??」なんて会話が自然に出てくる、「パートナーの出産に合わせて育休を取得したよ!」という人が周りに増えてくることで、社会全体としても「男性の育休も当たり前だよね」という空気が醸成されてくるのではないでしょうか。

経営相談室 スタッフコンサルタント 高松 が担当しました。

高松 留美(たかまつ るみ)のプロフィールはこちらからご覧いただけます。
→ 高松 留美(たかまつ るみ)のプロフィール

(2021年8月4日公開)

大阪産業創造館 経営相談室(あきない・えーど)

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