第215回 事業承継における会社の現状把握の方法|経営相談室のなかのひと|大阪の中小企業支援機関。 大阪産業創造館(サンソウカン)

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なかのひと
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事業承継における会社の現状把握の方法

  • 社員が会社を承継するときのよくある相談
  • 会社の現状を把握する
  • 税務申告書類のチェックポイント

社員が会社を承継するときのよくある相談

最近、親族内に後継者がおらず、社員に会社を継がせることが増えているようで、引き継ぐ側の社員から相談を受けることがあります。

まずは税務申告書類をチェックしましょう!

よくある相談として、「単なる一社員として働いてきたが、会社を引き継いでほしいと言われた。どこから手を付ければよいか?」というものがあります。

話を聞いてみると、会社の財務状況も知らずに、会社を引き継ごうとしていることすらあります。

会社の現状を把握する

事業承継するには、そもそも会社や事業が承継するだけの価値があることが大前提となります。

したがって、まずは税務申告書類一式を確認し、会社の状況を把握することが重要です。

税務申告書類には、損益計算書・貸借対照表だけでなく、株主の持ち分や、誰からいくら借金をしているか、といった損益計算書・貸借対照表だけではわからないことが記載されています。

税務申告書類のチェックポイント

税務申告書類をチェックするポイントはいくつもありますが、まずは「儲かっている事業なのか」をチェックしなければなりません。

損益計算書の売上・利益を確認するだけでなく、例えば一般管理費の内訳をチェックし、「役員報酬がどれくらいあるのか」といった実質的なオーナーの取り分も把握する必要があります。

また、貸借対照表では過去の利益の蓄積である利益剰余金などをチェックします。過去に赤字が続き、債務超過状態になっているような場合は要注意です。

大阪産業創造館「事業承継なんでも相談所」では、税務申告書類をご持参頂ければ、財務状況についてアドバイスできますので、お気軽にご利用頂ければ幸甚です。

経営相談室 スタッフコンサルタント 泉 が担当しました。

▼泉 仁史( イズミ ヒトシ )のプロフィールはこちらからご覧いただけます。
→ 泉 仁史( イズミ ヒトシ )のプロフィール

(2018年12月12日公開)

大阪産業創造館 経営相談室

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