第402回 コストアップだけではない。最低賃金・社会保険改定の影響|経営相談室のなかのひと|大阪の中小企業支援機関。 大阪産業創造館(サンソウカン)

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コストアップだけではない。最低賃金・社会保険改定の影響

  • 2022年10月から変わること
  • 最低賃金のアップと社会保険の適用拡大
  • 最低賃金アップで人手不足!?

2022年10月から変わること

みなさん、こんにちは。経営相談室の高松です。
まだまだ暑い日が続きますが、気がつけばあと数日で10月ですね。

人を雇うのは本当に大変。。。

人を雇うのは本当に大変。。。

毎年4月と10月に変更されることが多い人事・労務関連制度。2022年10月より変更となる主な項目がこちらです。

■最低賃金の改定
■社会保険の適用拡大
■雇用保険料の料率改定
■雇用調整助成金の特例縮小
■育児・介護休業法改正第2段階施行(産後パパ育休の創設と育児休業の分割取得)

主なものだけでも盛りだくさんです。
今回はこの中から、「最低賃金の改定」と「社会保険の適用拡大」について取り上げます。


最低賃金のアップと社会保険の適用拡大

大阪府の最低賃金は992円から31円アップし、10月1日からは1,023円となります。
ついに1,000円を超えてきました。予想された範囲での改定とはいえ、やはりインパクトは大きいです。

全国加重平均額は961円となるので、国の方針である「全国加重平均額1,000円」を踏まえると、来年以降も上昇が予想されます。

社会保険の適用拡大は、
●週の所定労働時間が20時間以上
●月額賃金が8.8万円以上
●2か月を超える雇用の見込みがある
●学生ではない

労働者が、従業員101名以上の事業者で勤務する場合、社会保険の加入対象になる、というものです。

これまでは従業員数501人以上の事業者で働く人のみが、適用拡大の対象でした。
なお、2024年10月からは、従業員数51人以上の事業者で働く人にまで適用拡大されます。

この適用拡大については、厚生労働省でも特設サイトを設けて、詳しく説明されています。

<厚生労働省 社会保険適用拡大特設サイト>
https://www.mhlw.go.jp/tekiyoukakudai/

最低賃金アップで人手不足!?

「103万円の壁」「130万円の壁」という言葉を聞かれる方も多いのではないでしょうか。

103万円の壁は、所得税の扶養控除・配偶者控除の対象になるための給与収入の上限額。130万円の壁は、社会保険の扶養親族の対象になるための給与収入の上限額です。

起業相談で、「家族の扶養の範囲内で働きたいのですが、どのくらい働いていいですか?」と聞かれることもよくあり、関心の高いトピックだと感じています。

一方で、「『扶養の範囲内で働きたいから、パートのシフトを減らしたい』と言われ、人が足らなくなって困っています」というのも、よくある経営相談の一つです。

最低賃金がアップしても、103万円の壁、130万円の壁は変わりません。

扶養の範囲で働ける時間を試算してみました。

<最低賃金992円の場合>
103万円÷992円=1038.3時間→月86.5時間
<最低賃金1023円の場合>
103万円÷1023円=1006.8時間→月83.9時間(▲2.6時間)

働く側からすれば、労働時間は減って給与は変わらないのでいいことずくめですが、雇用する側からすると、月2.6時間働いてもらえる時間が減った分を、何らかの形で補わなければなりません。
来年以降も最低賃金の上昇が予想されることを考えると、扶養の範囲で働いてもらえる時間はさらに短くなることが予想されます。

また、社会保険の適用範囲拡大によって、130万円の壁よりもさらに手前の、「週20時間以内&月額8.8万円以内」で働くことを希望する人も出てくるかもしれません。
この場合は、働いてもらえる時間は月2.6時間の減ではおさまらない可能性が高いです。

事業者のコストアップの話に終始してしまいがちな最低賃金や社会保険制度の改定ですが、「働き手の確保」という点でも大きな影響が現れそうです。

将来的な人手不足も考慮すると、不足する労働力を人で補うのは限界があります。
根本的な業務の見直し・効率化を進めて、「月2.6時間以上労働時間が減っても業務が支障なく回せる仕組み」を作らなければいけないタイミングが来ているようです。

業務のムリ・ムダを見直したい、という方は、ぜひ経営相談室の専門家相談をご利用ください。

経営相談室 スタッフコンサルタント 高松 が担当しました。

高松 留美(たかまつ るみ)のプロフィールはこちらからご覧いただけます。
→ 高松 留美(たかまつ るみ)のプロフィール

(2022年9月28日公開)

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