第519回 飲食店の戦略の違い|経営相談室のなかのひと|大阪の中小企業支援機関。 大阪産業創造館(サンソウカン)

中小企業の経営者・起業家の皆様を支援する機関。大阪産業創造館(サンソウカン)

飲食店の戦略の違い

  • コンセプトの違い
  • ターゲット・特徴の違い
  • 客層と集客の違い

コンセプトの違い

年が明けて1か月が経ちますが皆さまはどのようなスタートを切ったでしょうか。私はラグビー観戦が趣味ですので、年始から興奮しっぱなしで、ひたむきに頑張る選手を見習って気を引き締めました。

コンセプトをしっかりと考えましょう!

コンセプトをしっかりと考えましょう!

さて、私は休日に読書や仕事をするために、カフェやファミレスをよく利用しますが、自宅周辺の選択肢として「チェーン店ではない独自性をもつカフェ」と「ファミレスチェーン」があります。この2つのお店のコンセプト、顧客層、集客状況などを比較すると興味深いことがわかりました。
カフェのコンセプトは、「こだわりのコーヒーやフードを提供し、ゆっくりとくつろげる上質のカフェ」、でファミレスチェーンのコンセプトは、「幅広い客層・利用動機に対応する、お値打ち感重視のファミリーレストラン」であると思われます(コンセプトはHPなどから私がまとめたものです)。

ターゲット・特徴の違い

それぞれのお店のメインターゲットですが、「カフェ」は40代後半から60代ぐらいの中高年層でゆっくりと落ち着いた時間を楽しみたい少人数客と思われます。また、「ファミレスチェーン」は家族連れ、学生、中高年など幅広く、1人から大勢の団体客まで幅広い層をターゲットにしていると思われます。
またそれぞれの特徴をあげると「カフェ」は、おしゃれな空間、注文が入ってから豆を挽いて入れるコーヒー、こだわりの食事、注文・デリバリー・会計は店員が行うため単価が高め(ホットコーヒーが500円以上)などがあります。一方で「ファミレスチェーン」は、飲み物はドリンクバーによるセルフサービス、注文はタッチパネル、料理のデリバリーはロボット、会計もセルフ決済と省人化を追求した店舗運営となっていますが、単価は低め(ドリンクバーが500円以下)という特徴があります。

客層と集客の違い

2つの店舗は近くに大学やファミリー層が多い住宅地があり、車での来店も可能です。開店時間も同じでどちらもモーニングセットを提供し、席数もさほど差がないことから、休日午前の選択肢としてはどちらを選んでも良いと思われます。しかし、客層や集客状況がかなり違っていました。「カフェ」はターゲットにしている中高年層で開店後すぐに満席となり、ゆっくりとした時間を楽しむ人で賑わっていました。その後も同じような客層での混雑が夕方まで続き、夜になると空席が目立つようになります。
一方で「ファミレスチェーン」の休日午前は空席がかなり目立つ状況が昼頃まで続いており、私はお店の損益をかなり心配しました。しかしその心配は不要で、午後からは家族連れや学生など幅広い客層でどんどん席が埋まり、夜になっても変わらずに賑やかな状態が続いていました。

私はこの2つの店舗を比較してみて、それぞれのお店が考える戦略通り見事にお客さんが来店し、満足してもらうことで収益を上げていることに驚きました。
皆さまは商品・サービスを提供する際にコンセプトやターゲットを明確にしていますか?このようなマーケティング戦略について悩んだ時は、お気軽に経営相談室までご相談くださいね。
皆さまのご来館をお待ちしております。

経営相談室 スタッフコンサルタント 太田が担当しました。

▼太田 信之(おおた のぶゆき)へのご相談(面談)

(2025年1月29日公開)

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