第581回 サプライチェーンの維持管理|経営相談室のなかのひと|大阪の中小企業支援機関。 大阪産業創造館(サンソウカン)

サプライチェーンの維持管理

  • サプライチェーンの役割
  • 社会状況による視点の変化
  • デジタル化でしなやかさを確保する

サプライチェーンの役割

サプライチェーンは、日本語で「供給連鎖」といい、製品の原材料の調達から、製造、在庫管理、物流、販売を経て最終消費者に届くまでの一連の流れのことです。

レジリエンスを高めましょう

レジリエンスを高めましょう

約20年前に、SCM(サプライチェーンマネジメント)といったマネジメントの手法及び、その支援ソフトと伴にサプライチェーンという言葉が広まりました。同じく当時流行っていたERP(統合基幹業務)との相性が良く、多くの企業が取り組んでいたことを記憶しています。
SCMのメリットである効率化を追求する大規模システムは、開発期間が長く大型投資が多いので、皮肉にも「変化への対応」が遅いシステムになりがちでした。現在はこうした背景からシステムニーズも変化が起きています。
今回は、昨今のサプライチェーンの在り方についてまとめました。

社会状況による視点の変化

自然災害、システム障害、世界的な地域紛争など、社会が目まぐるしく変わる昨今の状況を踏まえると、サプライチェーンに求められる視点が全体最適から事業継続へとその優先順位が変わってきています。

【全体最適でサプライチェーンに求められる視点】
・在庫の圧縮:リードタイムを短縮し、余裕率から算出した最適在庫
・調達先集約:生産拠点の集約による生産性の向上とコストダウン

【事業継続(レジリエンス)でサプライチェーンに求められる視点】
・最適在庫の再定義:重要資材、汎用資材でメリハリをつける
・分散調達:地政学リスクを考慮した調達、協力体制に基づいたパートナー化

このような状況でシステムに求められているのは、「一元管理」よりも「リアルタイムの情報収集とスピード」へと変わります。そのため、長期間かけて構築する高額なシステムではなく、機能に特化したSaaSで提供されるシステムを柔軟に選択・活用するスタイルが主流になります。例えば、「災害発生時に仕入先別の影響、自社の在庫状況を即座に把握する連絡体制」「自社の生産状況のリアルタイムで監視する生産管理システム」などが一例です。

デジタル化でしなやかさを確保する

変化が激しい時代では、“事業継続”が意味をもち、それ自体が選ばれる理由になります。かつて、サプライチェーンに属する中小企業はコストダウンが最優先され、大手に太刀打ちできない側面がありました。しかし現在は、変化への対応力次第で新たなチャンスを掴むことも可能です。ここで役に立つのが、初動対応に役に立つ情報収集のスピードと情報発信です。大掛かりなシステムでなくても前述のように実現可能なレベルのデジタル活用によりしなやかさを手に入れることができます。

こうした取り組みのポイントは、まずは「できることから始める」ことです。今の変化をビジネスチャンスととらえ、デジタルを活かして事業継続力を高め「選ばれる企業」になりましょう。当館の専門家と相談しながら変化に対応する仕組みを考えてみませんか。

経営相談室 スタッフコンサルタント 大西が担当しました。

▼大西 森(おおにし しげる)へのご相談(面談)

(2026年5月13日公開)

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