(2014年12月公開)
経営者、創業者のみなさん、こんにちは。
スタッフコンサルタントの東です。
早いものでもう12月、今年も一か月足らずとなりました。
今回は、以前からご支援している会社の経営計画発表会に参加させていただき、改めて感じたことを書いてみたいと思います。今回は、以前からご支援している会社の経営計画発表会に参加させていただき、改めて感じたことを書いてみたいと思います。
その会社とは3年前に5年間の中期経営計画の作成をお手伝いして以来のご縁で、毎年、年度計画の発表会にお招きいただき、今年で3年目を迎えます。
いろんな経営者の方とお話しをしていますと、環境変化が激しい現代において、「先のことは分からへんのに計画が必要か?」とお考えの方がいらっしゃいますが、私は、変化の激しい時代だからこそ、経営者の意思を示すものとして経営計画が必要だと痛感しています。
経営はよく「登山」に例えられますが、登る山(=経営ビジョン:ありたい姿)を決め、そこに至るにはどんな隊列を組んでどんなルート・方法で登るか(=経営戦略)、さらに、頂上をめざすために時間軸に落とし込んで、誰がいつ何をすべきなのか(=経営計画)を決めることが必要です。
例えて言うと経営計画書は地図のようなものでしょうか…。
実際に、参加させていただいた企業は、5年前に一社の売上高依存率99%の下請け業者でしたが、社長が5年後にその特定会社の依存率を20%に引き下げることを経営ビジョンとして定めました。
その後、積極的に新規開拓営業を行ったことにより、3年が経過した時点で50%まで引き下げています。
書くことの効用は以前にこのブログでもお伝えしましたが、頭の中にあることを書きだすことによって、自社を取り巻く環境を含めて全体像を俯瞰したり、山積する課題に何から取り組めば効果的か、優先順位をつけることができます。
しかし、これが作りっぱなしで終わってしまうと、当初計画時に立てた仮説の何が違っていたのか、それを次の計画立案の際にどうつなげていくかが不明瞭なままになり、計画の実行精度が上がらない、絵に描いた餅という結果になってしまいます。
同社の社長は月次で経営計画を追いながら、不測の事態が生じた時も何を軌道修正すべきかの判断材料に計画書を活用していますし、次年度計画を作るときには、今年度の反省を踏まえて、次にどう活かしていくかを検討する材料にされています。
その努力の積み重ねが、前出の結果を生んでいるのだと思います。
もちろん社長だけが息巻いていても、社員が日々の業務をスムーズに行ってくれなければ仕事は回りません。
この会社の経営計画書は約10ページとシンプルなものですが、社長は社員に対して約3時間かけて、一語一句、平易な言葉で、ここに記載している内容がなぜ必要なのかを丁寧に説明しています。
どこに向かうのか、その道筋において何が各社員に求められているのかを、具体的に伝えて、社員の納得が得られるように配慮されています。
また、社長だけが一方的に話すのではなく、計画発表後は社員からも要望が積極的に出てきます。よりよい現場を作るためにどう取り組むべきかをお互いに確認しあって、経営計画発表会は終了となりました。
経営計画を通じて社長の意思を伝えることによって、社員の役割認識が高まり現場の士気が向上して、今では社長が営業で現場を離れても安心して仕事を任せられる体制が作られています。
目標達成時期まであと2年、経営ビジョン実現に向けてどのようにこの会社が成長していくのかが楽しみです。
私も負けじとよりよい仕事ができるよう、そろそろ来年の計画を練りたいと思います!
経営相談室 スタッフコンサルタント 東が担当しました。
▼東 純子(あずま じゅんこ)のプロフィールはこちらからご覧いただけます。
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(2014年12月10日公開)
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