経営相談室の東です。
5月に新型コロナウイルスが5類へと移行した後、経済活動も活発になり、人流が戻ってきたことを実感する一方、人手不足により事業運営に支障をきたしているという話も聞くようになりました。
人材活用を3ステップで検討しましょう
深刻化する人手不足に対応するため、以前中小企業庁から公表されていた「中小企業・小規模事業者人手不足対応ガイドライン」が3年ぶりに抜本的に改定され、「中小企業・小規模事業者人材活用ガイドライン」として発表されました。
本ガイドラインでは、経営課題が生じている背景に、人材に関する課題が潜んでいないかを確認し、その課題解決を図るための具体的な対応策や支援策が掲載されています。
また、想定される人材課題を検討するにあたり、求める人材のタイプを「中核人材」なのか「業務人材」なのかを明確にすることが必要であるとしています。
「中核人材」とは、事業上の様々な業務において中核を担う人材や高度な専門性を要する人材をいい、「業務人材」は事業運営において各部門や業務の遂行を担う人材や、専門性や技術レベルは高くないものの、事業の運営に不可欠たる労働力を提供する人材をいいます。
このガイドラインでは、3つのステップに基づいて人材に関する戦略を検討するよう提唱しています。
STEP1:経営課題と人材課題を見つめ直す
想定される経営課題ごとに、それぞれの課題を生じさせている背景、さらにその解決のために検討するべき人材課題が何かを確認していきます。
STEP2:人材戦略を検討する
STEP1で検討した人材課題から戦略を立てるための方向性について、先に述べた人材のタイプ別に、①中核人材採用型、②中核人材育成型、③業務人材採用・育成型の3つに整理します。
STEP3:人材戦略を実行する
人材戦略の今後の方向性が見えてきたら具体的な対応策の検討に入ります。
本ガイドラインでは、人材確保のための手法の検討や環境整備の施策を具体化するうえで、取組内容ごとにポイントや活用できるサポート機関、支援ツール、補助金・助成金・税制などの情報がまとめられています。
ガイドラインによって、人材活用の流れを確認することはできますが、具体的な対応策の検討にあたっては、実際どのように取り組んでいくか、イメージがわきづらいということも考えられます。
そこでガイドラインと合わせて「中小企業・小規模事業者の人材活用事例集」も発表されています。
事例では、「採用」「育成」「環境整備」に関する取組内容が、ビフォーアフターも含めて50社分掲載されています。
他社の事例を参考にしながら、取り組み可能な施策を検討し、戦略から実行に至るまでを具体化してみましょう。
経営課題の見つめ直しから人材戦略の実行までの整理を経営相談室にて行うことができますので、ご関心がある事業者の方はぜひご利用ください。
経営相談室の東が担当しました。
東 純子(あずま じゅんこ)のプロフィールはこちらからご覧いただけます。
→ 東 純子(あずま じゅんこ)のプロフィール
(2023年8月9日公開)
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