創業者、起業家、経営者の皆さんこんにちは。大阪産業創造館 経営相談室の服部です。このブログでは、中小企業経営者の皆さんから、気軽にご相談を頂くために経営相談室の雰囲気をお伝えできればと思います。
今回は、だいぶ前に読んだ田宮 俊作『田宮模型の仕事』(2000年・文春文庫)を読んで感じたことを書いてみたいと思います。
本書は、田宮模型(現在は株式会社タミヤ)という模型メーカーの経営者による創業から現在に至るまでの経営物語です。
学生時代の借金取りの話、木製模型からプラスチック模型へのイノベーションの波への対応、精巧なプラモのための取材、スロットカーブームをコントロール出来なかったこと、ミニ四駆でその鐵(てつ)を踏んでしまったこと、あえて上場しなかったことなどの苦労と失敗そして成功について述べられています。
こうした田宮模型の経営物語に一貫しているのは、無手勝流の経営であっても、ずば抜けた情熱と実行力がある、すなわち経営者の個性やカリスマが強いと企業はそれなりの成長を遂げ得るという点です。
利益を出す経営には、事業を数値などで客観的に捉える冷静さと、経営者のずば抜けた情熱と実行力が不可欠です。
まず、より良いものを作りたい、多くの人々に同じ感動を味わってもらいたい、世の中をより便利にといった動機と、その夢を実現したいという情熱で企業を運営し、
そのなかで問題の発見、解決の優先順位づけ、実行を繰り返すことによって経営者として事業を数値など客観的に捉える冷静さが磨かれていくのだと感じます。
本書の最後に「われわれの商品は、売りっぱなしではいけない。タミヤの模型はお客さんが買ったあと、ちゃんと楽しんでもらえているかどうかその満足度を調べなければならない」という一文がありますが、
自分たちが提供している模型でお客様が楽しんでいるかという販売後のことにまで気を配る姿勢と、それを満足度という度数で計ろうとする姿勢が世界のタミヤを作り上げているように思います。
経営相談室 スタッフコンサルタント 服部が担当しました。
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(2014年5月8日公開)
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