みなさん、こんにちは。
大阪産業創造館 経営相談室の岡島です。
起業する際の借入金額は難しい課題です。
少なすぎると早い段階で資金が不足し、事業が継続できなくなるかもしれないという不安から、できるだけ多く借りておこうという気持ちになります。
ある興味深い調査結果があります。
日本政策金融公庫総合研究所が調査対象を固定して5年間1000社以上を追跡調査した結果があります。
それによると開業時の金融機関からの借入平均は830万円でした。
さらに5年後の調査では、1,176万円に増加しています。
一方、開業1年目の平均月間収入は25万円です。
開業直前の収入平均(つまり会社員としての給料)は37万円ですので、
平均して10万円以上も低下することになります。
仮に800万円を7年返済で借りると、毎月10万円近い返済負担が発生します。
開業前の会社員としての平均月収37万円の収入でも、家賃や住宅ローン以外で毎月10万円近いローンを組むとなると多くの方が躊躇するかと思われます。
更にそれよりも10万円低い、開業1年目の平均月間収入の25万円で返済するとなると、借金のために働くようなものです。
会社員時代と変わらない生活水準を保つには、開業当初から50万円以上の稼ぎが確実に見込めることが必要ということになります。
普段、起業される方からの相談をお受けしていて思うことですが、会社員で固定収入がある時には借り入れに慎重になる方でも、事業資金となると、なぜか、ざっくりとしているように感じます。
借りることに意識が集中しており、毎月いくらの返済が必要で、いくら稼がないといけないかという重要な要素が抜けているように思います。
起業することで、収入UPの可能性は広がりますが、反面、収入が低下するリスクもあります。
それでも借りたお金は返さないといけません。
ある経営者の「借りることは簡単ですが、返す方が大変です」という言葉が印象的でした。
どれだけの収益が見込めるのか、具体的な根拠が示せるように準備した上で、返せる金額を試算ください。
経営相談室では、起業時の資金調達についてのご相談も行っておりますので、お気軽にご相談ください。
経営相談室 スタッフコンサルタント 岡島 が担当しました。
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(2019年6月19日公開)
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