こんにちは。経営相談室DX推進プロジェクトの折原です。
今年は入学式に桜が咲く春となりました。私たちが子どもの頃は、それが当たり前でしたが、ここ数年は卒業式の時の花、ということの方が多いように思います。当たり前の概念は、時と共に変わることもある例ですね。
「当たり前」の再構築をしてみませんか
皆さんは日常業務や学習において、どのようなソフトウェアやITサービスを利用していますか?IT業界においては、以前、流行語にもなった「二位じゃダメなんですか?」という問いに対して、「ダメなことが多い」というのが現実です。
例えば、表計算ソフトはExcelがほぼ独占的な地位を占めています。他の表計算ソフトもありますが、それらを使うことは少ないのではないでしょうか。紙の書類を画面で再現する目的の電子フォーマットもPDF以外はほぼ見なくなりました。
つまりIT製品では、トップシェアのソフトウェアやサービスに対して、それ以下のシェアの製品は、圧倒的に売り上げが小さくなる、という構図を持ちやすいのです。そして下位シェアの製品が下剋上を起こすことは、かなり稀な例しかありません。
このような状況が生まれる大きな理由は、多くの人が使用することで情報が豊富になり、他者とのやり取りもスムーズになるからです。多数、普及しているツールを使うことで、学習や問題解決のリソースが豊富になり、顧客も含めた作業の効率化を図ることができます。
情報が豊富な例として、書店のExcelコーナーに行ってみてください。関連本の出版数は、棚の一角でも収まりません。またYouTubeなどで、Excelのレクチャー動画を配信している方もたくさんいます。これらを活用することで、低コストで学ぶことができます。
他社とのやり取りの効率化ということでは、PDF以外の電子フォーマットで送られてきたことを想像してみてください。きっとそのフォーマットを見るソフトウェアをどうすれば見ることができるのかを調べるところから始めないといけないでしょう。PDFが主流となっているので、そんなことは意識せずにその書類の中身を見ることができています。
しかし、この「主流に乗る」という原則が常に正しいわけではありません。サービスによっては、最新で優秀なものに乗り換えることが望ましい場合もあります。
例えば、議事録作成サービス。音声のテキスト化だけでなく、要約まで行えるサービスですが、出力はどのコンピュータでも読めるテキストファイルなので、乗り換える前に過去データを別の場所に保存しておけば、これまでのデータが無駄になることはありません。このような場合は、より高機能や低コストの新しいサービスに積極的に乗り換える価値があるかもしれません。
ここで大切なのは、「二位以下なら不便」と一概に言えないものを見極める眼を持つことです。確かに主流のサービスやソフトウェアを利用することには多くのメリットがあります。しかし、それが常に最良の選択とは限らないのです。新しく開始されたサービスでも、乗り換えに値する機能や価値があれば、検討してみる余地はあるでしょう。
「ずっと使っているからそれを使うのが当たり前」を再検討することが、貴社のDX推進の第一歩かも知れません。
経営相談室 DX推進コンサルタント 折原が担当しました。
折原 正博(おりはら まさひろ)のプロフィールはこちらからご覧いただけます。
→ 折原 正博(おりはら まさひろ)のプロフィール
(2024年4月17日公開)
この記事に関連する大阪産業創造館のコンテンツ