全ての都道府県で有効求人倍率が1を超えるなど、数値を見るとバブル期以上の売り手市場といって良い状況です。
大企業の条件の良い求人が増加することもあって、中小企業は人材の確保がますます大変になりつつあります。
せっかくの応募者を面接が拙くて逃してしまっているケースはないでしょうか?
企業側は面接を通して応募者を知ろうと思っていますが、同時に応募者側も面接を通して企業を知ろうと思っています。
その視点を持って面接をしていらっしゃいますか?
【その1】面接が始まってから応募書類を初めて読む
面接が始まってから、応募者が面接官を待たせてスマホで会社の情報を調べ始めた、そんなことになったらその応募者に対してどう思いますか?
「応募した企業のことぐらい、ちゃんと前もって調べて来い」そう思いませんか?
面接が始まってから応募書類を読む面接官に対して、応募者も同じ感想を抱くのではないでしょうか?
そもそも、応募資料をそんな短時間で読めるのなら、先に読んでおけるはずです。
何のために先に資料を送付させているのかと、待たされている間に応募者の心証はどんどん悪くなっています。
【その2】計画性のない面接
自社の将来に対するビジョンがあれば、どういう人を何名採用して、どのように育っていってもらいたいということが明確になります。
その結果、面接においても応募者に対して具体的で明確な質問ができます。
逆に、企業としてのビジョンがないと、とりあえず自己アピールさせてみて、気になったところを質問してみて、その結果一番良さげな人を選ぼうという、とりあえずの面接になってしまいます。
そういったことは応募者にしっかり伝わっています。
特に、即戦力として採用したい経験者は、当然ながら業界や業務の知識・スキル・経験を持っています。
そのため、ビジョンや将来性がないことを、未経験者よりも鋭敏に察します。
【その3】なあなあな態度
緊張させないようにフレンドリーな態度で臨むこと自体は良いことかもしれませんが、距離感が明らかにおかしいケースがあります。
あくまでも面接時では初めて会った他人同士ですので、最低限のビジネスマナーは必要です。
なあなあな態度で応募者に接しても、悪い印象を与えたり、常識を疑われたりするだけで、何のメリットもありません。
普通にですます調で会話されることをお勧めします。
面接をした方とはご縁がなくて採用に至らなかったとしても、同業他社や隣接する業種に就職する可能性があります。
そうなると、「あの会社は将来性が低い」「あの会社は面接での態度が悪い」などと、自社の悪い評判を広める原因にもなりかねません。
・この企業の将来性はどうだろうか
・自分が就職したらどういうことが求められるだろうか
・自分自身のキャリアプランにとってどうだろうか
……などなど、繰り返しになりますが、応募者は面接を通じて企業を見ています。
次に面接をする機会には、これらのことを念頭に置かれてみてはいかがでしょうか。
経営相談室 スタッフコンサルタント 待谷 が担当しました。
(2017年9月13日公開)
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