前回は、立志庵卒業生の売上高全体像を確認しました。
今回は、もう少し細かくグループ分けをしてみましょう。グループ分けする手法として、パレート分析を用います。
各卒業企業の売上を大きい順に並べて累積割合と組み合わせ、累積売上80%に属する企業をA、80-95%に属する企業をB、95%-100%に属する企業をCとしてみてみましょう。
売上高を基準にA、B、Cと分類してみて明らかになったことは、ごく少数の企業が突出した売上高を獲得している一方、大半の企業は500万円前後に留まっているということです。
前回見た最頻値500万円の値は、実は90%以上の企業に当てはまることだったのです。売上高で500万円ですから、経営者の給料は、さらに少なくなることは容易に想像できます。
今回のアンケートでは確認できていませんが、仮に原価や仕入や会社を維持するための経費が売上高の3割程度(150万円)かかっていたと仮定すると、経営者の給料は350万円と計算できます。
あくまで仮の数字ですが、創業社長といえども収入が楽なのはほんの一握りのようです。平均年収が420万円以上とされていますので、もしかすると企業に勤めていた方が収入はあり、かつ安定するのかもしれません。
データは、収入を得るために社長になるというのはお勧めできないことを物語っています。上位1割以外はサラリーマン以下の年収なのですから。
したがって創業者は、収入よりも大切な何かのための創業をめざすことが妥当ではないかと思います。大切な何かとは今の社会の課題を解決するための取り組みかもしれません。
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次回は卒業生の成長ぶりを時系列の売上高推移で見てみたいと思います。
経営相談室 スタッフコンサルタント 服部 が担当しました。
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(2017年10月11日公開)
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