第135回 投資に見合う利益とは?|経営相談室のなかのひと|大阪の中小企業支援機関。 大阪産業創造館(サンソウカン)

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なかのひと
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投資に見合う利益とは?

  • 事業主は、経営者であり投資家である
  • 1,000万円の初期投資で、毎月いくらの利益が必要か?
  • 思いと数字のバランス

個人事業主は、経営者であり投資家である

みなさん、こんにちは。大阪産業創造館 経営相談室の岡島です。

今回は「投資対効果」について書いてみたいと思います。

投資分を回収するために必要な儲けとは?

例えば、自費で1,000万円を設備投資して、事業主として独立したとします。

毎月30万円の給料は得られそうなので、それで十分という意見と、
それだと1,000万円がいつ回収できるか不明という、2つの意見があります。

つまり、事業主は、経営者としての対価を得ると同時に
「投資家」という観点も持つ必要があるのです。

1,000万円の初期投資で、毎月いくらの利益が必要か?

ここでは、「投資家としての観点」を、
投資金額の回収とリスクに見合うリターンを考えること、と定義します。

もし設備が5年で老朽化するとしたら
5年で1,000万円回収しなくては、次の5年に向けた新設備が導入できません。

つまり、給与の30万円とは別に、年間200万円の利益を確保してはじめて、
事業が継続できることになります。

さらには、元本が保証されないというリスクを考えると、
元本の回収だけでなく、相応のリターンが必要です。

なぜなら、1,000万円を定期預金にすると、ノーリスクで、
5年後には元本に加えてリターンを得られるからです。

そのため、今回の事例でいくと、
・経営者報酬 年360万円
・投資回収(5年) 年200万円
・リターン(仮に年3%) 年30万円
つまり、年間590万円(毎月50万円)の利益が確保できなければ、
投資対効果を得られないと言えます。

金融機関の方が決算書を見る際に、
役員報酬と減価償却を適正に計上した後、どれほどの利益が残るかに着目するのは
こういう理由です。

思いと数字のバランス

初期投資額が大きいほど、獲得すべき利益額も大きくなります。

自己資金を事業に投入する時は、継続的な報酬に加えて
回収や事業リスクを充当するリターンもふまえた計画が重要です。

ただし、数字だけではなく、思いがあってこその独立・新規事業だと思います。
数字は冷静に判断しつつ、思いを叶えるための方法を一緒に考えますので
お気軽にご利用ください。

経営相談室 スタッフコンサルタント 岡島が担当しました。

▼岡島 卓也( オカジマ タクヤ )のプロフィールはこちらからご覧いただけます。
→ 岡島 卓也( オカジマ タクヤ )のプロフィール

(2017年5月17日公開)

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