2019年末から発生したコロナ禍が、この原稿を書いている2022年9月末でも収まっていません。月並みな表現になりますが、事業を経営されている方たちは筆舌に尽くしがたい艱難辛苦を経験されていると思います。
一つ一つ丁寧に
また、このコロナ禍は、医療・医学分野の話は別にして、一事業所の力だけでは、取り除くことはできません。つまり、外部環境は変えることはできない、経営上の課題は、外部環境の変化にどのように対応するか、ということだと思います。
平たく言うと、「過去と他人は変えることはできない。変えることができるのは、自分(自社)と未来」ということになるでしょう。
では、これから「自社」の「何を」「どのように」変えるのか?ということです。
売上、利益を伸ばす、ということは現在、正直難しい(もちろん、ニュースではこの環境下でも売上等が伸びている企業があることを紹介していますが)。
自社単独でできることは、まず固定経費の削減です。残念ながら、固定費のなかで、手を付けてはいけない、という聖域を設けることもできません。人件費も然りです。経営者様にとっても大変厳しく苦しい作業ですが、労働紛争が生じることも想定して、特定社会保険労務士との相談等をしながら問題解決に取り組んでください。
大阪産業創造館 経営相談室でも特定社会保険労務士との無料面談ができますので、必要があればご利用ください。
●特定社会保険労務士との無料面談
自社単独で変えることができない経営環境は、今まさに吹き荒れている嵐だと考えてみてください。抽象的な言い方ですが、私が今まで多くの経営者の方とお会いしてきた中でしっかり売上・利益を上げている経営者は、「嵐が過ぎ去るのをじっと待つ」タイプの方が多かったように思います。
しかし、今後の経営に関して、何もしないというわけではありません。
まず、今までの経営成績を少なくとも3年前くらいまで見直して、展開製品、サービスの良かった点、悪かった点を整理して、今後の作戦を立てます。営業手法、管理手法に関しても同様です。
また、キャッシュフローをしっかり管理されている点も共通しています。
日本は設備投資が少ないとか、個人レベルでは少額投資金融商品を政府が推進していますが、だからと言って、軽々しく投資を増やす、というのはいかがなものでしょう。
先日亡くなられた稲盛和夫さんの本に、設備投資は、現業との関連や相乗効果を重要視して、碁で一つ一つの石がつながりを持つように打つ=経営の意思決定をする、と書いてあったことを覚えています。設備投資は大きなリスクも伴うので、その通りだと思います。
経営環境が厳しいときほど、焦らず、慌てず、経営に取り組んでいただきたいと思います。頑張ってください。
経営相談室 スタッフコンサルタント 森 が担当しました。
(2022年10月12日公開)
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