英文契約書の専門書を読むと、「Battle of forms(書式の戦い)」というようなことが書かれています。
どういう意味かというと、自社で作った有利な契約書をお互いに出し合い、どちらの契約書を使うかでバトルが始まる、というのです。
そんなことが行われている世界が世の中には存在するのかもしれませんが、私が海外ビジネスに携わった限りでは、そんなことは一度も起こらず、取引上の立場の強い方が出してきた契約書を使うだけのシンプルなものでした。
また、英文契約書の専門書では、権利放棄、分離独立条項、裁判管轄、仲裁などについて多くの記載があります。こうした条項は一般条項といって、多くの英文契約書に記載されているものです。
したがって、最低限は知っておくべきことではありますが、私には契約交渉の場でこれらについて交渉したり、もめたりした記憶はありませんし、契約書を読む場合でも一般条項については当たり前のことが書かれていることをサラッと確認する程度でした。
英文契約書については、法律家が書いた専門書の内容が、そのままビジネスの現場に当てはまらなかったり、あまり役に立たなかったりします。
2018年8月27日(月) に大阪産業創造館で「“輸出計画”作り方講座 国際売買契約を締結するための押さえておきたいポイント」というテーマでセミナーを行います。
このセミナーでは英文契約書について、契約交渉・作成の最前線でどのような判断を行うのか、また法律家(法務部門)と事業担当者の役割分担などについてもお話しします。ご興味があれば、ぜひご参加ください。
経営相談室 スタッフコンサルタント 泉 仁史 が担当しました。
▼泉 仁史( イズミ ヒトシ )のプロフィールはこちらからご覧いただけます。
→ 泉 仁史( イズミ ヒトシ )のプロフィール
(2018年8月8日公開)
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