中小企業の経営者・起業家の皆様を支援する機関。大阪産業創造館(サンソウカン)
良きにつけ悪しきにつけ、仮想通貨に関するニュースが世間を騒がしています。
しかし、ちょっと待て。仮想通貨、そもそも通貨と呼ぶべきものなのか?
通貨は、モノやサービスの価値の尺度となります。コーラ1本100円という感じに。100円払う代わりにリンゴ1個と交換することも可能ですが、リンゴは放っておくと腐ってしまい交換できなくなる。その点貨幣は貯蔵することができるので、飲みたいときにコーラと交換できる。
仮想通貨はどうか?数日の間に価格が乱高下する。極端ですが、昨日までコーラ一本100●▲だったのが、今日買おうとすると10,000●▲になる。明日は100●▲にもどる。
短期間で価格が変わり、その利ザヤを稼ぐことを裁定取引、アービトラージと言います。
上の例では、今日買い付けて、明日売れば9,900●▲儲かります。加えて取引相場が1●▲⇒10,000円とすれば1日で9,900万円儲かるということです。
今日買い付けて明日売ることが本当に付加価値を生んでいるか?
これだけの税引前利益を上げようとすれば、どれくらいの売上が必要か、そのためにはどれくらいの企画、製造、営業といった努力が必要なのか?
語弊があるかもしれませんが、「あぶく銭」。身につかずといいます。身につかず消えるだけならまだいいけど、高値で買って大暴落といった惨事もしょっちゅう起こる。
自分が体を動かし、モノを作り、運び、額に汗して顧客に喜んでいただく。その対価として利益をいただく。見失ってはいけないのでは。
創業が江戸時代という大企業も経営理念として、楽して利益を得ることを戒めています。「浮利を追わず」。自分が、自社がどれくらいの価値を生み出せるか?
当たり前のことを日々追求する。成長に近道はない、日々痛感する今日この頃です。
経営相談室 スタッフコンサルタント 森 啓 が担当しました。
(2018年3月14日公開)
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