「会社は株主のもの」という「株主至上主義」が少し前までは主流でしたが、昨今では「ステークホルダー主義」が広まっています。
ステークホルダーとは利害関係者のことで、会社は単に株主のためのものではなく、顧客・従業員・取引業者・金融機関、さらには地域社会や地球環境といった広く利害関係をとらえて事業活動を行う必要がある、ということです。
みなさんは対話力を磨いていますか?
背景には、株主至上主義に基づいた短期的な利益至上主義では、地球の温暖化問題などが悪化し、長い目で見ると株主のためにもならない、という反省があります。
世界の大きな流れとして、今後もステークホルダー主義が広がっていくと思われますが、一方で、株主至上主義に比べると、極めて面倒で、短期的には生産性・収益性が悪化する可能性があります。
株主だけでなく、多様な利害関係者の要望や、地域社会・地球環境にまで配慮し、かつ利害関係者の理解を得ていくためには、一つ一つの要望・問題に対して知恵を絞り、対話し、答えを出していくというプロセスが発生するからです。
場合によっては、地球環境や地域社会のために儲け話をやめる、という判断も出てくるのです。
例えば「コロナ禍での経済活動やオリンピックをどうするか?」という議論を見てもわかるように、多様なステークホルダーに納得してもらうことは極めて困難です。
多様なステークホルダーの利害を調整するためには、リーダーには今まで以上に対話力が求められます。
これからの経営者は、自分にとって不都合なことも含めて、多様なステークホルダーの声を真摯に受け止め、お互いに納得できるように知恵を絞り、議論を尽くさなければならないのです。
経営相談室 スタッフコンサルタント 泉 が担当しました。
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(2021年6月30日公開)
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