第114回 想定と事実のギャップ|経営相談室のなかのひと|大阪の中小企業支援機関。 大阪産業創造館(サンソウカン)

中小企業の経営者・起業家の皆様を支援する機関。大阪産業創造館(サンソウカン)

なかのひと
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想定と事実のギャップ

  • 想定外
  • 自由貿易
  • 事実の精査

トランプ大統領誕生

6月23日 イギリスの国民投票が実施されました、大方の予想を裏切って、イギリスのEU離脱が決定しました。

イギリス(British)と離脱(Exit)を掛け合わせてブレグジット(Brexit)という造語ができました。

事実だけを客観視する。

11月8日 これまた大方の予想を裏切って、トランプさんがアメリカの大統領に選出されました。世論調査でもクリントンさんの優勢が伝えられていたにも関わらず。私も正直びっくりしました。

これらの現象を「想定外」という一言で片づけるのは簡単ですが、低所得者層が抱えるストレス、現場の声をつかみきれなかったということでしょう。

巡り巡ってわが身に返る

11月9日の日経平均株価は一時1,000円以上下落し、為替も大幅に円高に振れました。アメリカがTPPに代表される自由貿易を否定し輸入品に高関税を掛ける、と市場が判断したためです。安全資産である円を買う動きが加速しました。

外国からの人、モノの流入を遮断することで、アメリカ国内の雇用が回復するかのように思われますが、それ以上に自由貿易で得る利潤は失われます。

安価な輸入品が支えている国民生活にも多大な影響が出る。行き過ぎたインフレが起こる。

予想は外れる。

11月10日からは、日経平均株価が急上昇、本日(11月16日)午後の為替相場は1ドル109円です。トランプさん、案外まともやん、という市場の判断です。

しかし、これまた予想。それも、世界経済が好転してほしい、という希望的観測が入った予想。というより願望というべきかもしれません。

事業計画を作成するときも同じ。上手くいってほしいという気持ちが強すぎると、計画が杜撰になります。客先に行き、仕入先に行き、競合を調べて事実だけを直視する。

利益を出すためにはゴルゴ13のごとく、冷徹な目でマーケットを見なければなりません。

経営相談室 スタッフコンサルタント 森が担当しました。

(2016年11月30日公開)

大阪産業創造館 経営相談室

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