「従業員がインフルエンザにかかった」「期日になっても支払いされない」「商品のデザインを模倣された」というように、十分に起こる可能性があり、かつ、起こってしまうとダメージを受ける事象は多数存在します。
貴社にとってはどのようなものが考えられますか?
例えば「明日台風が直撃する」というような、近い将来に起こると分かっていることであれば、休業するといった対策を取るのではないでしょうか。
しかし、いつ起こるのか不明確、起こるかどうかも不確定なこと(=リスク)に対しては、特に対策を取っていないことも多いのではないでしょうか?
起こるかどうかが不確定でも、起こってしまったら無視できないほどのダメージを受けるのであれば、やはり対策が必要です。
では、経営上のリスク対策を行うには、どのように考えれば良いでしょうか。
ダメージを受ける事象であったとしても、隕石が工場に落ちるといったような発生確率が極めて低いものであれば無視できるのではないでしょうか。
また、発生したとしてもダメージが問題にならないほど小さければ、やはり無視できるかと思います。
したがって、リスク対策とは「発生確率」「発生した時のダメージ」のコントロールだと考えていただいたら良いでしょう。
【発生確率を下げることができる例】
取引の金額が大きくなると、売掛金の貸し倒れが発生した際のダメージも大きくなってしまいます。
一定額以上の売掛金が発生する場合には、信用調査会社を活用することを義務づける、営業部署の責任者の決裁を義務付けるいったことで、売掛金の貸し倒れが起きる可能性を下げるといったことが対策として考えられます。
【発生した時のダメージを下げられる例】
天候不順や自然災害は発生の確率を低下させることはできません。
保険に加入する、BCP(事業継続計画)を策定するといったことで、発生した時のダメージを減少させるといったことが対策として考えられます。
もちろん、発生確率の低下と発生した時のダメージの低下の両方が達成できることが理想です。
企業にとってリスクとは、例に挙げたような取引上のトラブルや災害だけとは限りません。
規制緩和で新規参入が増える、技術革新によって市場ニーズが急速に変わってしまうといった、自社を取り巻く外部環境の変化も不確定な事象が起こりえる要因になりえます。
外部環境変化に関してアンテナ感度を高め、予想ができることは対策を検討しておきましょう。
事業計画を作成される際にも、リスク対策を含めた行動計画を検討されることをお勧めいたします。
経営相談室 スタッフコンサルタント 待谷 が担当しました。
(2019年9月25日公開)
この記事に関連する大阪産業創造館のコンテンツ