業務は忙しいけれど、利益率が低いという方はいらっしゃいませんか?
その場合、全ての商品の利益率が低いパターンと、商品ごとの利益率にばらつきがあるパターンに分かれます。
今回は後者のパターンについて、利益率を改善するための分析方法と対策についてお伝えします。
商品ごとの利益率を分析しましょう!
改善するための流れは、①利益率にどの程度のばらつきが生じているのか現状を把握する、②ばらつきの度合いに応じた対策を立てるになります。
まず①の手法としてABC分析を解説します。
ABC分析とは、利益率の高低に応じて、各商品をA・B・Cの3つにランクを分け、ランク毎に対策を検討するための分析手法になります。
ABC分析の手順は以下の通りです。
①下記の表のように全ての商品を利益率の高い順番に並べる
②各商品の利益率の構成比を計算する(商品Aの例:30%÷146%=21%)
③全体が100%になるように上から順番に構成比を足していく
④60%以下をAランク、61∼90%をBランク、91%以上をCランクとする
※各ランクの範囲はバランスを見て調整する
以上のようにABC分析を行うことで、利益率が2∼30%とばらつきがあることがわかり、3つのランクに分けることで、対策を立てやすくなります。
分析結果を踏まえてランク別に対策を立てます。
【Aランク】
Aランクは付加価値が高く、自社の強みを活かすことで差別化できていることを示しています。
このランクはもっと販売を強化したいので、提供する価値や自社の強みをうまくターゲットに訴求することに注力してください。
【Bランク】
いかにしてBランクの商品をAランクにできないかについて検討します。
そのためには単価を上げるかコストを下げるしかありません。
商品を改良したりブランディングを強化することで単価アップを図る、生産性を高めたり、原材料の調達費を下げることでコストダウンを図り、利益率の改善を図ってください。
【Cランク】
このランクに関しては、在庫は持たない、広告費を減らすなど予算や労力をかけないようにします。
また、値上げを要求し、受け入れられない場合は撤退するのも方法のひとつです。
利益率だけでなく、利益額でABC分析をすることで、多面的に分析が可能となりますので、ぜひチャレンジしてください。
経営相談室 スタッフコンサルタント 谷口 が担当しました。
谷口 睦(たにぐち むつみ)のプロフィールはこちらからご覧いただけます。
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(2023年3月8日公開)
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