最近の楽しみのひとつが日本経済新聞夕刊の1面にある、日替わりで著名人が気になることを紹介している「あすへの話題」を読むことです。
ネットの検索結果は無条件で信頼できない
2024年12月16日号には丸紅株式会社の國分文也会長がインドの哲人、マハトマ・ガンジーが唱えた「7つの社会的罪」を取り上げておられました。この「7つの社会的罪(あるいは「大罪」)」について私は知りませんでしたので、早速ネット検索することにしました。すると検索結果は3万件を超えました。
しかし、そのほとんどはこの言葉を引用したもので、いつどのようなところで発せられたかすぐには分かりませんでした。いろいろな記事に当たったところ、どうやら1925年にインドの雑誌に掲載された「Seven Social Sins」が初出というところまではわかりましたが、記事そのものにはたどり着けませんでした(たどり着けたとしても、私には英語あるいはヒンディー語などインドの言語での文書は理解不能と思いますが)。
最近新聞や本などでわからないことがあるとネット検索で解決でき、大変便利な世の中になったものと驚いています。記事だけでなく、小説などの舞台となっている場所をネット上の地図で検索することで、より臨場感をもって物語に入っていけます。
このような状況の一方、半世紀前の自身の卒業論文の作成過程を思い出すことができません。疑問に思ったことをどのように解消していたか、その過程が思い出せないのです。
最近のよくある経営相談の一つに、「補助金があるはずだから教えてほしい」といった質問があります。当方では現状そうした情報を持ち合わせていなので、「どちらで調べましたか」と問うと、「ネットで」と言われます。しかしその情報がいつ、どこが発信しているのかは定かではなく、過去の記事がいつまでも残っていることがあるからです。
情報が安易に取得できる昨今ですが、その真偽の見極めが必要です。でないと間違った情報に踊らされ、自らだけでなく他人も傷つけてしまいかねない危険が潜んでいます。
間違いを見破るのは容易ではありませんが、私が行っていることで他人にも伝えていることは、その情報の出どころと時期を確認することです。
出どころはその発信元が信頼のおけるところであること、例えば補助金であればそれを取り扱っている本来の組織である中央省庁のしかるべき場所などから発信されていれば確かな情報だと判断できます。またこの安心できる発信元でも、発信時期を確認しておくことが大事です。往々にして古い情報がそのまま残っていることがありますので、情報がいつ発信されたかも確認しておく必要があります。
補助金について情報収集する場合、経済産業省が運営する「ミラサポ」(https://mirasapo-plus.go.jp/)や中小企業基盤整備機構が運営するサイト
「j-net21」の支援情報ヘッドライン(https://j-net21.smrj.go.jp/snavi/index.html)は便利で確かであり、我々も利用しています。
経営相談室 コンサルタント 田口が担当しました。
▼田口 光春(たぐち みつはる)へのご相談(面談)
(2025年1月22日公開)
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