みなさん、こんにちは。経営相談室の高松です。
事業を運営していると、たくさんのルーティン業務が発生します。ルーティン業務にも日次、週次、月次、年次といろんなサイクルがありますが、今回は年次ルーティンの定番である公的保険の話を取り上げます。

社会保険制度、シンプルにしてほしい…
保険とは、万が一のリスクに備えて、リスク要因を抱える人が少額ずつお金を出し合い、実際にリスクが発生した時にはそのお金でサポートする、という仕組みです。これを国の制度として運用しているのが公的保険です。保険なので、リスクの発生が増えれば保険料が上がります。そして、保険料の見直しは年度単位で行われることが多いので、保険料率の変更に伴う会計ソフトの設定確認などが年次ルーティンの定番業務となります。
例えば、病気になったり、けがをしたりするリスクは誰にでも起こりえます。このリスクをカバーするために運用されているのが健康保険制度です。
日本は健康保険に関しては国民皆保険なので、すべての国民が何らかの公的な健康保険制度に加入しています。法人の経営者や会社員なら協会けんぽ、自営業者やその家族なら国民健康保険、公務員なら共済組合、といった具合です。
そのほかにも
・高齢になったときの生活を支える保険制度:年金保険(厚生年金、国民年金)
・高齢になり介護が必要になったときの自立を支える保険制度:介護保険
・失業した時の生活を支える保険制度:雇用保険
・仕事中に負った病気やケガを補償する保険制度:労災保険
などが、公的保険のカバー領域です。
起業に関する相談でも、「自分がどの保険の手続をすればいいのかわからない」というご相談をよくいただきます。国が国民の生活を守るために保証すべきと考えている項目の数だけ保険の種類があって、中には健康保険制度のように同じ保証目的であっても制度が複数あるといった状況が、公的保険制度を分かりにくくさせている要因かと思います。
2026年4月からは、新たに「子ども・子育て支援金制度」がスタートします。これは少子化対策・子育て世帯支援を目的とした制度です。ちなみに、従来から「子ども・子育て拠出金」という制度があり、これは児童手当などの財源とされています。
この二つの制度は、「リスク要因を抱える人がお金を出す」というよりは、「社会全体で次代を担う子どもを育てる」という社会連帯の精神に基づきます。子ども・子育て拠出金は、厚生年金保険の事業主負担のみでしたが、子ども・子育て支援金は健康保険料の加入者が対象なので、健康保険だけでなく、国民健康保険などの加入者も負担することになります。
子ども・子育て支援金は労使折半のため、給与計算に影響が出ます。年度末のルーティンとして、健康保険・介護保険の料率変更と合わせて、新制度の内容をしっかり確認しておきましょう。
経営相談室 スタッフコンサルタント 高松が担当しました。
▼高松 留美(たかまつ るみ)へのご相談(面談)
(2026年3月18日公開)
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