皆さんこんにちは。スタッフコンサルタントの田口です。
魅力ある事業の継続を支援
私はスタッフコンサルタントとしての顔の他、大阪産業創造館が開設している「事業承継なんでも相談所」の相談員という一面も持っています。
同所が開設されたのは10年ほど前。公的機関で事業承継のサポートを謳うことはおそらく全国初の試みであったかと思います。
開設して間もなくのころ、一緒に運営している仲間から「事業承継の事例をブログにしてはどうか」という話があり、気楽に応じたのがブログ「事例に学ぶ事業承継」の始まりでした。
それから8年が過ぎ、月1回のペースで発表してきましたが、皆さまに披露する事例が枯渇してきましたので、先月5月24日公開の第100回をもって最終回とさせていただきました。
私の出会った事業承継の事例はおそらく4~500件はあろうかと思います。しかし、皆さまが知りたい事例、それは失敗事例やイレギュラーな事例であり、円滑に行われた承継事例には興味がないはずです。
皆さまに紹介でき興味を持たれるであろうと思う私の手持ちの事例が底をつきそうとなりましたので、100回という切りのいい回数で最終回とさせていただきました。
相談所では多くの人からの相談を受けています。継がせる側の人、継ぐ側の人それぞれの立場でいろいろな悩みを抱えられておられます。その相談のために当所にお越しになるのですが、今までに出会った承継事例を紐解きながら、少しでも参考になるお話をさせていただいております。
そして、多くの方が最後に言われるのは、「私のような相談は多くあるのですか」ということです。
その答えは「ありません」です。
「よく似たケースはありますが、事業承継の課題は百社百様です。」が正解だと思っています。その百社百様の一端の事例を事業承継に課題を持つ皆様の参考になればという思いでブログという方法で披露してきたのです。
事業承継にはいろいろな側面があります。相続、相続・贈与税、経営の引継ぎがそれです。前の2点相続、税金問題は法律の専門家である弁護士などや、税務の専門家である税理士という資格を持った人のみが扱える事項であり、加えて関係者の思惑が渦巻く内容ですので、当所ではそういった相談があった場合は、経営相談室に登録されている専門家に相談されるよう案内しています。
当所では「継がせたい事業」「継ぎたい事業」の経営の引継ぎが事業承継の基本であると考えています。
問題ある事業は継がせることも継ぐことも決して良い結果とはなりません。ならば、課題ある事業を見直し、次世代が喜んで継いでくれるものにすることや、やむを得ず厳しい事業を引き継いだ場合には、その事業の立て直しが公的機関である当所の役割と思っています。
そのために経営相談室を始めとして大阪産業創造館が持つサポート資源をフル活用して支援しています。
魅力ある事業の経営が引き継がれるよう全力で取り組んでいます。
経営相談室 スタッフコンサルタント 田口 が担当しました。
田口 光春(たぐち みつはる)のプロフィールはこちらからご覧いただけます。
→ 田口 光春(たぐち みつはる)のプロフィール
(2022年6月15日公開)
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