第422回 想定外のリスクに直面した事業者の話|経営相談室のなかのひと|大阪の中小企業支援機関。 大阪産業創造館(サンソウカン)

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なかのひと
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想定外のリスクに直面した事業者の話

  • 輸入商品が製造ストップになった事業者の話
  • コロナ禍の状況
  • 想定外のリスクを活かす

輸入商品が製造ストップになった事業者の話

1年ぶりに食品の輸入販売業をしている経営者と会いました。

その方のブログを見て順調そうだと思っていたのですが、話を聞いてみると想定外の事態に陥っていました。

七転び八起き!

七転び八起き!

扱う商品数を増やすために、いくつかの商品について輸入手続きを進めていました。
販売又は営業上使用する食品を輸入する場合、その安全性確保の観点から、輸入者には有毒有害物質が含まれていないか等の検査が求められます。また、輸入商品を日本で流通させるために、日本語で原材料などを表示したラベルも作る必要があります。

その方は、輸入先のメーカーに協力してもらって必要な情報を入手し、通関業者を使って粘り強く手続きを進め、ラベルも準備していました。テスト的に行った少量輸入も成功し、本格的に輸入できるようになり、営業も進めて販売先の目途もついてきた矢先、輸入先のメーカーからほとんどの商品の製造をストップするという連絡がありました。

コロナ禍の状況

コロナ禍も多くの事業者にとっては想定外ではなかったかと思います。
コロナ前に急拡大していた外国人観光客向けの商品・サービス、対面サービス、人の移動に関わるサービスなどの需要が大幅に減少、または消滅したため、多くの事業者が大打撃を受けました。

コロナ禍が始まって3年経ち、次第に経済も正常化しつつありますが、それでも今だ完全に収束する気配はありません。
そして、この3年間でお客様のニーズ、ビジネス環境などで不可逆的な変化が生じ、事業によってはもはや元には戻らないものも少なくありません。

想定外のリスクを活かす

今、食品輸入をしている経営者は、国内の事業者と共同してオリジナル商品の開発を進めています。これにより、輸入手続きに必要であった時間も資金も省くことができますし、仕入先を分散することで仕入れができなくなるリスクも軽減できます。

つまり、想定外のリスクを活かして、ビジネスモデルをさらに強化しているのです。
コロナ禍で打撃を受けた事業者の方々にも、苦しい経験を前向きにとらえ、次の事業展開に活かして頂きたいと思います。

経営相談室 スタッフコンサルタント 泉 が担当しました。

泉 仁史(いずみ ひとし)のプロフィールはこちらからご覧いただけます。
→ 泉 仁史(いずみ ひとし)のプロフィール

(2023年2月22日公開)

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