第213回 月次決算をやっていますか?|経営相談室のなかのひと|大阪の中小企業支援機関。 大阪産業創造館(サンソウカン)

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なかのひと
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月次決算をやっていますか?

  • 管理会計の必要性
  • 月次決算をやりましょう
  • 決算書で確認するポイント

管理会計の必要性

みなさん、こんにちは。スタッフコンサルタントの谷口です。
11月に入り肌寒くなってきましたね。
みなさん風邪などひかれてないでしょうか?

自社の経営状態を把握しましょう

今月、立志庵というこれから起業をめざす方を対象としたプログラムの中で、会計に関するセミナーをさせて頂きました。

その中で感じたことは管理会計の重要性でした。

会計には大きく分けて2種類あり、「制度会計」と「管理会計」です。
制度会計は法律に基づき年に一回作成する義務があり、主に税務署に提出することが目的とされています。

一方、管理会計は作成の義務はありませんが、経営者が自社の経営状態を分析・管理するために行います。

なぜ管理会計を行わなくてはいけないのでしょうか?
それは経営者として経営の状態を常に把握しておく必要があり、そのためには制度会計で作成する年次決算書の完成まで待っていては遅すぎるからです。
気が付いたら資金がかなり減っており、すぐに現金を調達しなければならないかもしれません。

しかし、自分の事業の数字も把握しておらず、なぜこうなったかも説明できない人に銀行はすぐに貸してくれるでしょうか。

月次決算をやりましょう

管理会計にもいろいろ手法がありますが、その中でもお勧めが月次決算です。
月次決算では、毎月、前月の決算書を作成し評価します

評価する際、何かと比較すると自社の状態がわかりやすいかもしれません。
比較する対象として

・目標
・毎月の推移
・前年同月

などが挙げられます。

現状を把握することで、問題の原因がどこにあるか特定し対策を立てることができます

例えば、飲食店を営業していて、売上が先月低下していたことがわかった場合、その原因を分析したところ先月は雨の日が多かったため、集客できた人数が少なかったとします。

その対策として雨の日は割引券を発行する、あるいはワンドリンクサービスをするなどを行うことにしてみる。

対策の結果、うまく集客に結び付けばいいし、効果がなかった場合はまた別の施策を考えて実行して検証することになります。

これが年に一度、決算書を確認するだけで、売上減少の原因を特定できるでしょうか。
その時点で仮に特定できても、過去に遡って対策を講じることはできません。

月次決算を作成していない方は、ぜひやってみてください。

決算書で確認するポイント

決算書を確認する箇所も、いきなり細かいところを全てチェックすると面倒くさくなって三日坊主で終わってしまうかもしれません。

継続することが大切なので、まずは大まかなところを把握するところから始めてはいかがでしょうか。

例えば、損益計算書では売上高・売上高総利益・営業利益・経常利益の推移を見る。
貸借対照表では現金・棚卸資産・受取手形・売掛金の推移を見る。

業種や状態によってみるべきポイントは変わってくると思います。
サービス業であれば、人件費を気にする、製造業であれば製造原価を気にする、現金不足の状態であれば、現金の残高や売掛金の回収状況を気にする、などです。

ちょうど来月、産創館で月次決算に関するセミナーが開催されますので、興味のある方は参加してみてください。
【ナレッジセミナー】月次決算による経営管理のススメ(2018年12月5日(水)開催)

経営相談室 スタッフコンサルタント 谷口 が担当しました。

▼谷口 睦(たにぐち むつみ )のプロフィールはこちらからご覧いただけます。
→ 谷口 睦(たにぐち むつみ )のプロフィール

(2018年11月28日公開)

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