第69回 朝ドラにみる上方の商い哲学|経営相談室のなかのひと|大阪の中小企業支援機関。 大阪産業創造館(サンソウカン)

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なかのひと
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朝ドラにみる上方の商い哲学

  • 始末~ムダを省く力~
  • 算用~採算を管理する力~
  • 才覚~先を読む力~

ブログをご覧になっているみなさん、こんにちは。
経営相談室の東です。

以前にNHKの朝ドラにはまっていることをお伝えしましたが、今、毎朝楽しみにしているのは「あさが来た」。

商いの哲学は現代ビジネスにも根付いている!

幕末から明治という激動の時代に、銀行や生命保険会社の立ち上げや日本初の女子大学設立などに取り組んだ女性実業家・広岡浅子氏をモデルとしたドラマ。

困難にも果敢に立ち向い乗り越えていく精神力の持ち主で、座右の銘は「九転び十起き」だったといます。

本ドラマが注目を浴びるとともに、当時の上方商人の商い哲学に触れる記事も目にすることが多くなってきたように思います。

商家には経営の三要素として、「始末・算用・才覚」が伝わっていたそうです。

始末~ムダを省く力~

始末」は言葉のとおり、「はじめ・おわり」を表していますが、始めと終わりで帳尻を合わすことを意味しています。

元手がいくらあるかが商売の大きさにつながると考えられており、元手をできるだけ減らさないように、無駄なコストは省くように倹約することが重要とされていました。

算用~採算を管理する力~

算用」とは、勘定を指していますが、損をしないよう算盤(そろばん)勘定を確実にすることを意味しているそうです。

ただし、短期的に利益を求めるのではなく、一回ごとの取引において少額であっても確実に利益を確保し、着実に儲けることが商売を長続きさせるコツであるとの考え方がベースにありました。

目先の利益に惑わされず、長期的な視野で商売を見定めていくことの必要性を説いています。

才覚~先を読む力~

さらに、商人には前述の「守りの姿勢」だけではなく、時代の成り行きを見通して、新しいビジネスを開発することが求められたといいます。

始末でムダを省き倹約を心がけ、損を出さないように足場を固めるのはもちろんですが、顧客を増やすために、独創的なアイデアから新たなビジネスを生み出し、果敢にチャレンジするという攻めの精神も重要であるということです。

改めてみても、現代ビジネスにも大いに通じるところがありますね。
折に触れてこの3つの言葉を考えてみたいものです。

大阪産業創造館では、現代の商人として修得いただきたい知識・ノウハウを約1年かけてじっくりと体系的に学んでもらうためのプログラムなにわあきんど塾31期生」も募集を開始いたしました!

私も運営事務局としてサポートさせていただいています。
ぜひあわせてご覧ください。

経営相談室 スタッフコンサルタント 東が担当しました。

▼東 純子( あずま じゅんこ )のプロフィールはこちらからご覧いただけます。
→ 東 純子( あずま じゅんこ )のプロフィール

(2015年12月9日公開)

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