みなさん、こんにちは。経営相談室の高松です。
暑い季節となりました。今年はついにマスクなしの夏!去年まではどんなに暑くてもマスク必須で息苦しかった…。本当に、今度こそ、日常が戻ってきた!と感じています。
「誰でもいい」では、誰も来ません。
企業の求人意欲も高まっているものの、かねてからの労働人口不足。前回のブログでは、中小事業者を取り巻く求人環境について取り上げました。データで見ると、中小事業者が人を採用する、ましてや理想通りの人材と出会えて採用できる、というのは、もはや奇跡的な確率!?とさえ思ってしまいました。
その一方で、求人を出して、求める人材を確保できている中小事業者もおられます。先日、お話を伺った事業者様は、「3K」とイメージされやすい業界にもかかわらず、求職者からの応募は常時あり、欠員が出てもすぐに補充ができる状態とのことでした。採用した人材の定着率も高く、長く働いてくれることで従業員個人のスキルも上がり、生産性も向上する、とまさにいいことづくしのお話でした。
例にあげた事業者様は、
①求人に対して自社の求める人材からの応募がある
②採用した人材が定着する
という二つの要素を満たして「人材確保ができている」といえます。人材確保がうまく進んでいないときは、①か②かのどちらかだけに原因があるということは稀です。
ほとんどの場合は、求人を出しても応募がない→数少ない応募者からとりあえず人を確保→ミスマッチにより早期離職→再び求人→求人を出しても応募がない…という①と②が相互に絡み合った負のスパイラルに陥っています。
今は必要な人材を確保できている事業者様であっても、かつては負のスパイラルに陥っていた、というケースは少なくありません。まずは負のスパイラルを断ち切ることが人材確保の第一歩といえます。
では、どうすればこのスパイラルを断ち切れるのでしょうか?
人材確保ができている事業者様に共通して言えることは、「求める人材像が明確で、その中でも譲れないポイントは妥協しない」という点です。
「求める人材像を明確に」というと、「若くて、担当業務の経験があって、コミュニケーション力があって、ITスキルも…」といったフルスペックな人材像を描かれることがありますが、「この資質がなければ採用しない!」といえるほどの強い要素が決まっているのが、「求める人材像が明確」な状態です。人材確保もマーケティングと同じで、ターゲットを絞り込めている=ターゲットに刺さる求人活動につながります。
とはいえ、自社だけで人材に求める要素を突き詰めるのはかなり大変です。そんな時は、自社の考えをまとめる壁打ち役として、専門家との相談を利用してみてはいかがでしょうか。
人材確保は、今日取り組めば明日成果が出る、というものではありません。時間のかかるものだからこそ、最初の一歩は早く踏み出すことが大切です。自社の求める人材の核を見極めて、対処療法的な人材確保から脱却しましょう!
経営相談室 スタッフコンサルタント 高松が担当しました。
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(2023年7月19日公開)
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