第84回 意外と知らない「半日年休の取扱い」|経営相談室のなかのひと|大阪の中小企業支援機関。 大阪産業創造館(サンソウカン)

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意外と知らない「半日年休の取扱い」

  • 半日単位の年次有給休暇(半日年休)とは
  • 「半日」をどのように定義するか
  • 半日年休は何回まで取得できるのか

こんにちは。スタッフコンサルタントの高島です。桜も見ごろで春真っ盛りですね。

意外と知らない「半日年休の取扱い」意外と知らない「半日年休の取扱い」

春は進学や就職、転勤で住所変更などの届出が必要となる機会が多い季節です。ちょっと会社を抜け出して、所用を済ませたくなる人もいるかもしれません。

一方会社側は、半日単位の年次有給休暇(半日年休)について判断に迷うこともあるでしょう。

今回は、意外と知らない(見落としがちな)半日年休の取扱いをテーマにしました。

半日単位の年次有給休暇(半日年休)とは

年次有給休暇は「1労働日を単位とするものであるから、使用者は労働者に半日単位で付与する義務はない」とされています。

つまり原則として年次有給休暇は暦日単位での取得だけれども、会社が認めた場合には例外的に半日で取得させてもよい、ということです。半日年休は会社の裁量で導入される制度なんですね。

半日年休を認める際には、ルールとして明確に就業規則に記載しておくと良いですね。

それではルール化する際のよくある疑問点をみていきましょう。

「半日」をどのように定義するか

「半日年休の趣旨はわかった、でも『半日』はどこで区切ればいいんだ?」と思われるかもしれません。
「半日」の区切りは以下のように考えられます。

1)午前と午後
2)所定労働時間を2で割る(きっちり半分に分ける)

結論から言いますとどちらを選んでも構いません。

「半日年休というからには、きっちり半分でなければいけないのでは?」と思いがちですよね。だとすれば午前休と午後休では、それぞれの労働時間に不公平感を持つかもしれません。

ですが、実際に仕事の都合を考えると「お昼休みを挟んで午前か午後を選べる方が良い」という場合もありえますよね。

自社の実態にあわせて、「半日をどこで区切るか」のルール決めを事前にしておくことが大切です。

半日年休は何回まで取得できるのか

たとえば年間20日の年休を持った社員だと、理屈では40回も半日年休を取得できることになります。チームプレイで仕事する場合、あまりに細切れに休まれると効率が悪くなりパフォーマンスが落ちるもしれない、と懸念されることもあるでしょう。

その場合、たとえば「半日年休の取得回数は5回を上限とする」と取得回数に制限を設けるルールにすることも一策です。

前述のように、そもそも半日年休は会社の裁量で導入される制度ですから、業務の効率性を最優先にしてルールを考えても構いません。

年次有給休暇の本来の目的は、パフォーマンスを最大限に発揮してもらうための「休養」です。
取得ルールを明確にし、誤解のないようにしっかり説明して、みんなで協力してリフレッシュをはかれるようにしたいですね!

経営相談室 スタッフコンサルタント 高島あゆみが担当しました。

(2016年4月13日公開)

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