みなさんこんにちは。経営相談室スタッフコンサルタントの田口光春です。
表題をご覧になった方のなかには、私の常識を疑われた方もおられたのでは?
その意図はおいおいお伝えします。
経営のすべての責任は経営者にある
いまから20年以上前に逝去された名経営コンサルタント(ご本人は「経営者コンサルタント」と称されたとか)一倉定先生をご存じでしょうか。最近再び注目されていますが、「良い会社とか悪い会社なんてない。 あるのは、良い社長か悪い社長だけである」とか「電信柱が高いのも、郵便ポストが赤いのも社長の責任だ」といった名(迷)言を残されている方です。
数ある名言の中で私が気になっているのは次の言葉です。
「決断力のない社長は、他にどんな資質を持とうと、才能があろうと、それだけで失格である。」
経営者の真価を決めるものは、危機に立った時にどう対処するかです。決断というものは、外部情勢の変化が会社に危機をもたらす時に行われるものです。最近のコロナ禍はまさにその状況だといえます。一倉先生はその時の決断を部下など他人に任せるのではなく、社長自ら行わなければならないとも言われています。決断することをグズグズしていては悪い方にしか向かいません。その時点で最もよい思う方向に全社を挙げて進んでいくしかありません。それが社長の最も大切な役割であるとも言っています。
しかし、時としてその決断が正しくないこともあり得ます。そのときには素早く軌道修正することが肝となるのです。「社長である私が決断したことだから」、といった変なプライドで間違いであることがわかっても軌道修正しないことは、最もしてはいけないことです。それが今回の表題の持つ意味です。
そこで、その決断が間違っていたと気づくための物差しが必要となります。それは経営計画と情報です。経営計画については、一倉先生独自の経営計画の立て方を伝えていますので、興味がある方は探して学んでください。情報については、(社長にとって都合の)悪い情報こそ社長に伝わるような仕組みが大事だとされています。しかも社長まで素早く伝わることが大事で、多くの企業の不祥事はそうした悪い情報が社長まで伝わっていない、あるいは伝わっていたとしても時間がかかりすぎていることに大きな原因であると教えています。
すべての責任は社長にあります。それが電信柱、郵便ポストの持つ意味です。責任を部下に押しつけることは、言語道断な行為であるとも言われています。
社長は孤独です。その中で多くの人の生活を背負い、そのために数多くの決断を、素早くしていかなければなりません。そこには言い訳は通じません。間違ったら素早く軌道修正あるのみです。
朝令暮改を恐れてはいけないのです。
経営相談室 スタッフコンサルタント 田口 が担当しました。
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(2021年6月16日公開)
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