この原稿を 2021年8月10日の午前の時間帯に書いています。一昨日の8月8日、東京オリンピックが無事閉幕しました。今回のオリンピック開催に関しては、賛否両論多数の意見があったことは承知しています。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響で開催が一年延期され、競技のほとんどが無観客の中で行われるなど非常事態の中、戦い抜いた選手、大会を支えたスタッフの方々には敬意を表したいと思います。
全力を出し切った姿は美しい。
私もテレビで観戦しましたが、メダルを獲得したときの選手・スタッフの喜びの表情、逆に逃した時の涙よりも、勝敗に関係なく、全力を尽くした選手・スタッフの笑顔などすがすがしい表情が印象に残りました。
競技に勝敗はつきものです。どんなに強い選手にも敗北は起こり得ます。したがって、一度や二度敗北を喫したからといって、腐ることはありません。いや、腐っては損だと思います。敗北や失敗も貴重な経験で、次の試合に活かせる要素がたくさんあるからです。
スポーツに限らず、事業においても敗北はつきものです。お得意先様へのプレゼンテーションで競合に負けてしまうなどはよくある出来事です。ここで「当社のプレゼンが採用されないなんておかしい」などと腐ってしまうのは得策ではありません。また、失注に対して過剰反応し、「早く次のプレゼンのために資料を集めないと」と焦ることも成果にはつながらないでしょう。
ここは慎重且つ謙虚に、情報の収集と整理をするべきです。自社のプレゼンが採用に至らなかった具体的な原因はなにか?原因がつかめたら、どのような対策が打てるのか?その対策は単独で実行可能なのか?自社に足りない経営資源があるとすれば、補う方法はなにか?など、腰を据えて情報収集・整理・対策立案に取り組んでください。
ただし、一つ注意することがあります。情報収集、対策立案という作業には必ず「何時までに」という期限を設けることです。次のプレゼンテーションの機会を逃しては元も子もありませんからね。
事業をするにおいては、取引相手にもスケジュール・日程がありますから、いつもこちらの準備が十分にできてから商談を行えるわけではありません。しかし、商談準備に全力を尽くしたなら、多少不安な点があったとしても、怯まずにプレゼンテーションに臨みましょう。
残念ながら次回提案も不採用になるかもしれません。しかし、「この会社と取引する」という目標をしっかりと持って、全力を尽くして戦ってください。そして、その結果がどのようなものであっても、あるがままに受け入れましょう。
結果が出る出ないにかかわらず、情報収集→企画立案→商談→振り返り→情報収集・・・というサイクルを辛抱強く繰り返すことが事業の成長につながると思います。
経営相談室 スタッフコンサルタント 森 が担当しました。
(2021年8月18日公開)
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