第23回 株価の変動に思うこと|経営相談室のなかのひと|大阪の中小企業支援機関。 大阪産業創造館(サンソウカン)

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なかのひと
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株価の変動に思うこと

  • 株価の乱高下ってどうなんだろう・・・
  • 稼いだ利益が株価を決める。
  • 幸運はしっかりと準備(ビジネスプランを練る)したものだけがつかむ。

株式投資の起源は航海

このブログを10月初旬に書いています。この数日間に日経平均株価が400円強値下がりました。原因はニューヨーク市場で株価が下がったからです。そして数日後、元値に戻りました。毎度おなじみのニュースですが、これってどうなんだろう。

株価の変動に思うこと

株式投資の起源は中世ヨーロッパで、航海に出る船の建造に対して行われました。船長の実績、航海技術、船員のモチベーションなどを参考に出資が行われたのです。そして一年間の航海を経て、貿易取引で得た利益を出資者に分配しました。

嵐に遭遇することは当たり前、何か所も難所といわれる海峡を通過します。その都度、あたふたして株式を売却するなんてありえません。

稼いだ利益が株価を決める

株価の算定方法はいくつかありますが、基本は純資産額を発行済み株式数で割ったものです。純資産額は資本金と事業年度内に稼いだ利益の合計です。

つまり、事業年度(一年)を経なければ株価は算定するべきではない、ともいえますね。また、利益を出すためには、お客様に魅力ある提案を練る、商品を開発するというプロセスが欠かせません。そのうえで商談に入り、成約に結び付けます。まあ、利益が確定するまで、半年は十分にかかるでしょう。

確かに、入念な準備などに関わらず株価は変動します。十分な根拠なしに同じものに異なった価格がつくことがあります。この価格差を利用して利ザヤを稼ぐ行為を裁定取引(アービトラージ)といいますが、これには何の付加価値もありません。

事業には運も必要。けど幸運はしっかり準備したものだけがつかむ。

株価は経済、ひいては会社の価値尺度といわれます。だから、株価が下がると事業に対して、また会社そのものに対して色々言われます。

しかし、短期的な株価の乱高下は気にする必要はありません。その現象の多くは、安いところで買って高いところで売るという行為が引き起こすからです。だから、経営者はしっかりと準備をしたなら、外野の声に惑わされずどっしりと構えましょう。

嵐は必ず来るという前提で航海前の準備を怠らない。海が荒れてもあたふたしない。そんな船が貿易取引で巨額の利益をたたき出しました。神様のご加護(運)もあったでしょう。しかし、それは、事前の準備・航海計画=ビジネスプランが呼び込んだものです。

経営相談室 スタッフコンサルタント 森が担当しました。

(2014年10月15日公開)

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