第159回 大企業の不祥事に思うこと。|経営相談室のなかのひと|大阪の中小企業支援機関。 大阪産業創造館(サンソウカン)

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なかのひと
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大企業の不祥事に思うこと。

  • 企業価値が無に帰する。
  • 批判では解決しない。
  • 悪いことほど、すぐに報告するべき。

企業価値が無に帰する。

最近、大企業の不祥事が頻発しました。その一つに品質不良の隠ぺいがあります。不祥事が発覚すると、創業者に始まり、多くの先輩たちがコツコツ積み上げてきた信頼という財産、ブランド、企業価値が地に落ちます。

一人で抱え込まず、なんでも相談。

コンプライアンス、法令順守と言うのは簡単ですが、日本を代表する企業ですら実践されていない事実が・・・。

批判するのは簡単だが・・

しかし、報道を見ていて気になったこと。品質不良の隠ぺいをした企業OBのある言葉です。「顧客の要求も厳しい。一か所不良が見つかれば全量検査、しかも納期遅れは許されない。」

マイケルポーター氏の著書「競争戦略」にファイブフォース、その一つに「買い手の交渉力」という言葉があります。

実際、世界に名だたる大企業の品質、価格、納期に対する要求は、例外なくむちゃくちゃ厳しい。そのプレッシャーを一つの組織が、もしかしたら一担当者が背負い込んでしまったら・・・。

だから、隠ぺいが起こっても仕方ない、ということではないですよ。問題が大きければ大きいほど、小さな組織、ましてや個人では絶対に解決できない、ということ。

 

強い組織、本当のリーダーシップ

今回のような件が、「現場で問題を抱え込んでしまった、上長に報告・連絡、相談がなかった」と断言する根拠はもちろんありません。

しかしながら・・・、「悪いことほど報連相されない」のは、多くの企業・組織に見られます。強い組織では、悪い報告ほど早く上がります。優秀なリーダーほど、悪い報告を冷静に受け止め、現実的に対処します。

もちろん、同じ失敗が起こらないように注意、叱責することは必要です。だが、原因を横に置いて部下をなじることではない。

それを可能にするのが本当のリーダーシップだと思います。

経営相談室 スタッフコンサルタント 森 啓 が担当しました。

(2017年11月1日公開)

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