中小企業の経営者・起業家の皆様を支援する機関。大阪産業創造館(サンソウカン)
最近、大企業の不祥事が頻発しました。その一つに品質不良の隠ぺいがあります。不祥事が発覚すると、創業者に始まり、多くの先輩たちがコツコツ積み上げてきた信頼という財産、ブランド、企業価値が地に落ちます。
コンプライアンス、法令順守と言うのは簡単ですが、日本を代表する企業ですら実践されていない事実が・・・。
しかし、報道を見ていて気になったこと。品質不良の隠ぺいをした企業OBのある言葉です。「顧客の要求も厳しい。一か所不良が見つかれば全量検査、しかも納期遅れは許されない。」
マイケルポーター氏の著書「競争戦略」にファイブフォース、その一つに「買い手の交渉力」という言葉があります。
実際、世界に名だたる大企業の品質、価格、納期に対する要求は、例外なくむちゃくちゃ厳しい。そのプレッシャーを一つの組織が、もしかしたら一担当者が背負い込んでしまったら・・・。
だから、隠ぺいが起こっても仕方ない、ということではないですよ。問題が大きければ大きいほど、小さな組織、ましてや個人では絶対に解決できない、ということ。
今回のような件が、「現場で問題を抱え込んでしまった、上長に報告・連絡、相談がなかった」と断言する根拠はもちろんありません。
しかしながら・・・、「悪いことほど報連相されない」のは、多くの企業・組織に見られます。強い組織では、悪い報告ほど早く上がります。優秀なリーダーほど、悪い報告を冷静に受け止め、現実的に対処します。
もちろん、同じ失敗が起こらないように注意、叱責することは必要です。だが、原因を横に置いて部下をなじることではない。
それを可能にするのが本当のリーダーシップだと思います。
経営相談室 スタッフコンサルタント 森 啓 が担当しました。
(2017年11月1日公開)
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