第419回 PがあってのC|経営相談室のなかのひと|大阪の中小企業支援機関。 大阪産業創造館(サンソウカン)

中小企業の経営者・起業家の皆様を支援する機関。大阪産業創造館(サンソウカン)

なかのひと
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

PがあってのC

  • 間違いを正せば将来につながる
  • Planは行動の振り返りの物差し
  • Plan(計画)が明確でないと振り返りができない

間違いを正せば将来につながる

みなさんこんにちは。経営相談室の田口光春です。

謎めいた表題にしましたが、おいおいご理解いただけるよう書き込んでいきますのでご容赦ください。

PLANがないと経営はうまくいかない

PLANがないと経営はうまくいかない

今回は今から40年近く前に出版され、最近再び脚光を浴びている書籍から思いついた点を書いてみたいと思います。
その書籍とは一橋大学の教授などをされた野中郁次郎氏が中心となって、第二次世界大戦で日本軍が行った6つの作戦の失敗を組織論から探求した「失敗の本質」です。

その本の中で「目的の曖昧な作戦は、必ず失敗する。」と結論づけています。そして失敗という現実を直視せず、その現実を共有化しなかったことなどが日本軍を敗北へと導いた要因だと結んでいます。

野中教授は経営学者です。この書籍は経営という視点からも我々に問いかけています。
この書籍を経営の視点から読み解いてみます。経営を行っていると失敗はつきものですが、その現実に目を背けることなく、失敗の原因を探ることが次につながるのです。まさに「失敗という現実を直視」することで次が開けてくるのです。

Planは行動の振り返りの物差し

しかし失敗かどうかを判断するためには基準が必要です。

それはよく経営で言われるところの「Plan」です。Planがなければどの方向に向かったらいいのかわからず、ダッチロール状態に陥ってしまいますし、進めている活動(作戦)が正しいのか、成功に導いているかの判断基準も曖昧になってしまいます。

これが表題である「PあってのC」の意味です。
PとCは経営のサイクルP→D→C→Aのことをさしています。

物差しであるPlan(計画)があるから活動の在り方(Do)が明確になり、Check(確認)することで行動を振り返ることができ、成功か否かの判断が可能となるのです。

経営において結果オーライ、ラッキーはないのです。
そして必ずPlanは社員全員と共有化されていることが必要です。経営者だけが理解しているPlanはPlanではありません。
かの書籍では日本軍の敗北要因として共有化された作戦がなかったことも挙げています。

Plan(計画)が明確でないと振り返りができない

ここ数年の経済環境は大変厳しいものがあります。
新型コロナウイルス感染症のパンデミックでありウクライナ情勢です。

このように経営環境が厳しい状況に対して、経営者がつい口にしてしまうフレーズが「環境が悪い」です。業績が厳しくなったのを環境のせいにされる経営者もいれば、厳しい環境下でも確実に実績を残している経営者もいます。

当初に立てた経営目標が書かれた計画(Plan)が明確なら、結果を振り返ることができ、次なる対策(Action)も立てることが可能となるはずです。

以前ここで紹介した一倉定氏が言うように、経営の全責任は経営者であるリーダーにあり、経営目標は社員全員が理解できる御旗なのです。

経営相談室 スタッフコンサルタント 田口 が担当しました。

田口 光春(たぐち みつはる)のプロフィールはこちらからご覧いただけます。
→ 田口 光春(たぐち みつはる)のプロフィール

(2023年2月1日公開)

大阪産業創造館 経営相談室

06-6264-9820
(9:00~17:30※土日祝除く)