みなさん、こんにちは。スタッフコンサルタントの谷口です。
製造業において、品質管理は、顧客の信頼獲得やコストを削減する上で重要な要素になります。
今回は品質管理を強化する考え方をお伝えします。
正しい品質管理をしていますか?
不良が発生する際、設備や仕入れた材料に問題があるなど、さまざまな原因が考えられますが、設備を動かすのも、仕入れた材料のチェックをするのも人なので、品質管理において人の占める割合は大きいです。
人による不良発生を防止するには、まず、品質管理の重要性を従業員にしっかりと伝える必要があります。
なぜなら、品質に対する意識が低いと、たとえチェックシートを用意したとしても機能せず、後工程に不良品が回ってしまい、それまでに消費される材料費や加工時間が無駄となり、さらに、お客さまに不良品が納品されると信用を失い、取引までも失う恐れがあるためです。
また、各工程において、品質をチェックするには、良品の範囲を数値化したり、良品と不良品の境目を写真で掲示するなど、求められる品質基準を見える化して、そこから外れた製品や仕掛品は不良と判断する仕組みが必要となります。
人間である以上、どうしてもミスをしてしまうことはあります。ミスを発見したときは隠さずに報告することが求められますが、それには社風が大きく影響してきます。
組織全体が品質管理に対する意識が低ければ、ミスを隠すことが当たり前となり、新入社員も同様に、その社風や文化に習います。発見して声を上げることが「悪」と思われる職場にしてはいけません。
そのためには、不良発生の報告に対しては称賛されるような職場にするべきです。
発見した不良に対して原因を分析する必要がありますが、その際に誤ったアプローチはミスをした人に対する「なぜ?」(WHY)という問いかけです。
「なぜ?」という言葉には「なんでそれをやったんだ?」、「なんで間違えたんだ?」というような相手を責めるニュアンスが含まれてしまいます。
ではどうすればいいのでしょうか?
その場合は「何が?」(WHAT)で問いかけをしましょう。
例えば「その問題は何が原因で起こったと思う?」、「何を改善すればその問題を防ぐことができる?」と問いかけることで、問題はミスをした人にだけあるのではなく、ミスを生み出した環境や仕組みにも要因があるということになるため、再発防止策について、ミスをした本人も含め全員で客観的な議論ができるようになります。
ミスがあったことに対して感情的になるのではなく、冷静に原因を分析できる職場でありたいですね。
経営相談室 スタッフコンサルタント 谷口が担当しました。
谷口 睦(たにぐち むつみ)のプロフィールはこちらからご覧いただけます。
→ 谷口 睦(たにぐち むつみ)のプロフィール
(2023年7月5日公開)
この記事に関連する大阪産業創造館のコンテンツ