第458回 リスキリングの取組み|経営相談室のなかのひと|大阪の中小企業支援機関。 大阪産業創造館(サンソウカン)

中小企業の経営者・起業家の皆様を支援する機関。大阪産業創造館(サンソウカン)

リスキリングの取組み

  • リスキリングとは?
  • リスキリングが求められる背景
  • 取り組み方の事例と注意事項

リスキリングとは?

2023年10月15日、MGC(マラソングランドチャンピオンシップ)が開催され、男女各2名がパリオリンピックの代表に内定しました。大雨の中、元公務員ランナーの川内優輝選手が序盤から35kmまでのレースを牽引し、大会を盛り上げ、話題となりました。川内選手は、2019年からプロランナーに転向後も、海外レースに積極的に参加しながら、練習方法やシューズを変更し、ベテランランナーでありながら絶えず進化を続けています。

環境変化に合わせてスキルアップに取り組もう

環境変化に合わせてスキルアップに取り組もう

常に学び続ける姿勢の大切さはマラソンに限った話ではありません。今回は、学び直しで注目されている「リスキリング」をテーマにしました。

まず、リスキリング(Re-skilling)とは、「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得すること/させること(※1)」です。「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業補助金(※2)」も実施されました。

(※1)出典:経済産業省 第2回 デジタル時代の人材政策に関する検討会(資料2-2 石原委員プレゼンテーション資料)
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_jinzai/002.html


(※2)経済産業省 リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業
https://careerup.reskilling.go.jp/

リスキリングが求められる背景

リスキリングが求められる背景には、コロナ禍と、IT人材の不足といった要因があげられます。コロナ禍ではDXによるビジネスモデルの変革が急務でしたが、その推進に必要なスキルを持つ人材が不足し、別の仕事をしている人をIT人材に育成する方法が模索されました。一方、働く人にとっては、“成長産業への労働移転”により、これまでの仕事がなくなってしまう不安などがリスキリングに取り組むきっかけになっています。また、ローコード、ノーコードなどで学び直しの期間が短縮されたことやオンラインにおける学習環境が整備(“いつでも”、“どこでも”、“格安に”)されたこともリスキリングを後押ししています。

取り組み方の事例と注意事項

新しいスキルを身に着けて仕事に役立てている方に聞くと、まず、無料動画を短い時間でつなぎ合わせて視聴し、その後、特に気になったものや必要性を感じたものについては書籍や有料の講座で理解を深めているようです。
インターネットを活用すると必要な情報が優先的に表示され、見たくない情報は遮断される傾向にある(フィルターバブル)ので、目的にあった書籍も探しやすく効果的です。
注意事項としては、フィルターバブルが起こると、違う考えが遮断されてしまうので、最悪の場合、間違った方法を選択している可能性があることです。フィルターバブルを避けるためには、定期的にインターネット以外の情報収集をすることをお勧めします。スキルアップの方法も環境の変化に合わせて効率化するのがポイントですね。

経営相談室 スタッフコンサルタント 大西が担当しました。

大西 森(おおにし しげる)のプロフィールはこちらからご覧いただけます。
→ 大西 森(おおにし しげる)のプロフィール

(2023年11月8日公開)

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