第296回 厳しい経営環境。落ち着いて既存ビジネスを再考する。|経営相談室のなかのひと|大阪の中小企業支援機関。 大阪産業創造館(サンソウカン)

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なかのひと
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厳しい経営環境。落ち着いて既存ビジネスを再考する。

  • 苦しいときほど既存のお客様を見直す。
  • 既存客に対するアプローチを優先しましょう。
  • 需要と供給が一致しないと成約しない。

苦しいときほど既存のお客様を見直す。

みなさん こんにちは。経営相談室の森です。

新型コロナウイルス感染症の感染者数がまた増えています(この原稿を書いている時点 令和2年7月27日)。厳しい経営環境が続き、企業経営者の皆様、なかなか出口が見えず悔しい日々をお過ごしのことと存じます。

当たり前のことをきちっとやりきる努力

当たり前のことをきちっとやりきる努力

こんな時は、やはり、「焦らず、腐らず、ひるまず。」
こんな時こそ、深呼吸一つ、気持ちを落ち着けて、視線を足もとに移し、腰を据えて経営に取り掛かるべきです。具体的には、既存客様に対する営業に新たな気持ちで取り組むことですね。

既存客に対するアプローチを優先しましょう。

例えば、一生に一度の買い物といわれる家。
新築だけでなく中古物件を大規模修繕するビジネスでは、新規客を獲得するために、よく新聞折り込みやポスティングなどのプロモーション手法がとられます。しかし、これらの媒体は、レスポンス率は数千分の一。年間販促計画で予算を取り、定期的にコツコツやる手段で、今のような非常時の対応とは言えません。

しかし以前お取引があったお客様でしたら、「初めまして、当社は○○工務店と申します」という枕詞は不要で、「何か不具合ございませんか?」「近くに寄りましたので顔を出しました。」という自然なアプローチができます。当然商談に至る可能性は新規獲得の場合とは比較になりません。

また、お客様とご無沙汰状態が長い場合でも臆する必要はありません。「なんや、えらい久しぶりなやぁ。」といわれるでしょうが、話を聞いてくれる可能性はやはり高い。これは、建築業に限らず、どんなお仕事でも言えます。嫌味一つで商談が再開できるならありがたいじゃありませんか。

需要と供給が一致しないと成約しない。

しかし、「ひさしぶり」といって会話が再開できたとしても、売上に結び付くと判断するのは早計過ぎますね。お客様がお金を払うタイミングが来なければ、つまり、需要が発生しなければ契約には至りません。

需要などと硬い言葉でなくても、お客様が不満を感じるポイントと考えるほうが良いでしょう。

住まいの場合でも住み始めて数カ月程度で、住まいに対する不満が発生します。2~3年たてば、扉の不具合が、10年近くなれば、内装や壁紙の張替え、それ以上経過すると外壁の再塗装など、金額が高額になる不具合も発生します。

お客様のご不満が発生する時期をつかむには、「何時」どんなサービスを提供したのか、商品を販売したのか、等の資料が必要です。当たり前のことですが。建設業なら、工事の大小に限らず「いつどのような工事を受注したのか」を時系列にまとめておくこと、顧客リストを常に最新の状態にしておくことが必要不可欠です。

常にお客様の最新の情報を把握する、その努力を惜しまないでください。

その、日々の小さい努力が、今日のような非常事態でも、ある程度落ち着いて対処が可能になると思います。

頑張ってください。

経営相談室 スタッフコンサルタント 森 が担当しました。

(2020年8月5日公開)

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