みなさん、こんにちは。経営相談室の高松です。
さわやかな春があっという間に終わり、早くも6月。まもなく雨の季節ですね。
6月と言えば、労働保険の手続!ということで、今回は労働保険について取り上げます。
手続はお早めに!
労働保険は、その名の通り「労働者のための保険制度」です。
仕事中に発生したけがや病気に対応する「労災保険」と、失業したときの備えとなる「雇用保険」の2つを合わせた総称です。
自社で手続する、専門家に依頼する、委託団体にお願いしている、など、いろんなパターンがありますが、毎年6月1日から7月10日までの間に、労働保険の更新手続を行う必要があります(ちなみに今年は暦の関係で7月11日まで)。
あまり意識されていないかもしれませんが、この更新手続きには、
■前年度の保険料の金額を確定する
■今年度の保険料の概算額を申告する
という2つの手続が行われています。
そして、保険料は、
■前年度の保険料が確定した結果、前年度に納付していた概算額との差額を精算する
■今年度の保険料の概算額を納付する
という2つの計算に基づいて、金額が計算されています。
労働保険の更新手続の書類がヤヤコシイ、というご相談(嘆き?)をいただくことが多いのですが、1つの書類で、労災保険、雇用保険それぞれに対して、2つの手続・2つの金額計算が行われているわけです。
考えただけでややこしそうですね。
そんなややこしそうな手続、今年は雇用保険料率が年度途中で変わるというイレギュラーがあります。
途中で保険料率が変わるので、てっきり申請書式の体裁が変わるのかと思っていましたが、レイアウトに大きな変更はありませんでした。雇用保険料については、保険料率が事前に印字されず、別紙で計算した結果のみを転記する、という対応になっていました。
今年度だけのイレギュラーであることを考えれば、とても合理的な方法だな、と感じています。
労災保険については、令和3年度に引き続き、保険料率の変更はありませんでした。
<厚生労働省 令和4年度の労災保険率について ~令和3年度から変更ありません~>
労災保険料は、労災の発生状況によって、保険料率が見直されます。保険事故が少なければ、保険料が下がるのは、民間の保険も労災保険も同じです。
長期的に見れば、労働災害は大幅に減少しています。短期的には、令和3年度の労災発生状況は、死亡事故は減少から横ばい傾向、休業4日以上の事故は増加傾向となっています。
<厚生労働省 令和3年における労働災害発生状況について(確定)>
現状よりも労働災害を抑えるには、業務の進め方を根本的に見直す必要があるのかもしれません。日々の業務に追われていると、「重要だが緊急性は低いこと」が後回しになりやすいですよね。
労働保険は手続をして終わり、ではなく、災害の起こりにくい職場環境を考える、業務を見直すきっかけにされてはいかがでしょうか。
経営相談室 スタッフコンサルタント 高松 が担当しました。
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(2022年6月8日公開)
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