オリンピック3連覇、柔道 野村選手の引退試合を観に、2015年8月29日に柔道全日本実業団個人選手権大会に行ってきました。
1・2回戦では野村選手は相手選手をクルリと弧を描くように背負いで畳に叩き付け、ものすごい技の切れを披露しましたが、3回戦では逆に準優勝した選手に美しく弧を描くように叩き付けられ、最後の試合が終わりました。
今大会は野村選手にとっては2年ぶりの試合であり、私は2年前の大会も見に行ったのですが、その際は、野村選手は試合中に肩の腱を断裂したにもかかわらずテーピングだらけの体で最後まで戦い、準決勝で畳に叩き付けられて壮絶な一本負けをしたことを鮮明に覚えています。
ここ数年間、野村選手は相手と戦う前に、故障だらけの自分との戦いだったのです。
引退試合から数日後、テレビで野村選手の特集を見ていたとき、野村選手が師匠である父親に相談しているシーンが映し出されました。
そのとき、父親は既に体がボロボロで引退するかどうか迷っている野村選手に「勝ち負けを超えて、今の自分にできる柔道を見せることに意味がある」と励まし、野村選手は「もうちょっとがんばろうかな」と笑顔を見せました。
特別な話をしたわけでもないにもかかわらず、理屈を超えて厳しい選択を行うための大切な何かを共有した野村選手と父親に、相談する者とされる者の理想像を見た思いがしました。
創業・新規事業の立上げは正解のない世界であり、経営者が自らの責任で答えを出さなければなりません。
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(2015年9月30日公開)
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