みなさん、こんにちは。経営相談室の高松です。

令和のひのえうま、育休制度さらに充実
2026年(令和8年)の干支は「ひのえうま(丙午)」です。干支は「十干」と「十二支」の組み合わせで、全部で60パターンあります。
昭和世代の方であれば、『ひのえうまの年に生まれた女性は気性が激しいので、「夫の命を縮める」「夫の運気を食い尽くす」』といった迷信を耳にされたことがあるのではないでしょうか。令和の時代に「ひのえうまの迷信」を信じる人はほとんどいないと思いますが、前回のひのえうまにあたる1966年(昭和41年)は、多くの人がこの迷信を信じていたようで、前後の年と比べて極端に出生数・出生率が低くなるという現象が起きました。
厚生労働省の令和6年(2024)人口動態統計月報年計(概数)の概況(※1)などの資料でも、1966年の出生数落ち込みの要因分析として「ひのえうま」と書かれているほどです。
出生数及び合計特殊出生率の年次推移
出典:厚生労働省 令和6年(2024)人口動態統計月報年計(概数)の概況 P.4
この「ひのえうまの迷信」ですが、十干十二支にまつわるものなので、私はてっきり海外でも同様の迷信があり、かなり歴史のあるものだと思っていました。
が、調べてみると、この迷信は日本独自のもので、広まったきっかけは江戸時代。1682年(天和2年)に江戸で起きた少女の放火事件(八百屋お七)をモデルに、井原西鶴が「好色五人女」の一話として「恋草からげし八百屋物語」という話を創作しました。八百屋お七は「恋人に会いたい一心で放火事件を起こした」という気性の激しい(情熱的すぎる?)女性として描かれます。「好色五人女」の発表のタイミングと作中のお七の年齢設定から、八百屋お七=ひのえうまの生まれと考えられたようです。
それ以降、浄瑠璃や歌舞伎といった、他の大衆文化でも八百屋お七をモデルにした作品がたくさん生まれ、それらを通じて「ひのえうまの女性は気性が激しい」という「ひのえうまの迷信」が日本に広まったとされています。井原西鶴は、現代でいうところのインフルエンサーですね。300年の時を超えて影響を与えるインフルエンサー、すごすぎます。
出生数・出生率と深く関連するのが、産休・育休制度です。産休・育休制度充実のきっかけは、1989年(平成元年)の合計特殊出生率(一人の女性が一生の間に産む子どもの数)が1.57となり、「ひのえうまという特殊事情で出生数が大きく落ち込んだ1966年の合計特殊出生率1.58を下回った」ことが衝撃をもって受け止められたことがあります。1992年(平成3年)に育児休業法が施行されたのをはじめ、その後も給付額の拡大、育休期間の延長、育休期間中の社会保険料の免除、男性育休の取得、企業の体制整備に対する助成金…と様々な支援が拡充されてきました。
2026年4月からは、子ども・子育て支援金制度も開始となり、産休・育休の環境もさらに整っていくものと予想されます。「令和のひのえうまは、過去の迷信を振り切り、働きながら子どもを産み育てることがより充実する年になった」と、300年後の人にいわれるようになればいいな、と思います。
経営相談室 スタッフコンサルタント 高松が担当しました。
(※1)出展 厚生労働省 令和6年(2024)人口動態統計月報年計(概数)の概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai24/index.html
▼高松 留美(たかまつ るみ)へのご相談(面談)
(2026年1月21日公開)
この記事に関連する大阪産業創造館のコンテンツ