みなさん、こんにちは。経営相談室の高松です。
早いもので、1月も後半。1月は本当に31日間もあるのか??と毎年疑いたくなっています。
どんな形でも求める人物像が大事!
このブログでも何度か取り上げている副業・兼業人材。人材に関するご相談をいただいた際に、解決策の一つとして副業・兼業人材をご提案させていただき、中核人材雇用戦略デスク(大阪府プロ人材)をご案内することが増えています。中核人材雇用戦略デスクでは、副業・兼業人材ってどういう人たちなのか、といった基本的な説明から、自社にあった副業・兼業人材をどのように採用するのか、といった具体的なアドバイスまで幅広く対応しています。
ちなみに、中核人材雇用戦略デスクでは、
■副業人材:一般に企業の社員として働きながら、勤務時間外に他社の仕事を請け負う人材
■兼業人材:フリーランス(個人事業主)として、企業に属さずに複数の企業から業務を請け負う人材
と整理されているそうです。
では、実際に副業・兼業人材を採用するには、どのように進めていけばよいのでしょうか?そこで、今回は、副業・兼業人材を採用する上で重要なポイントを考えたいと思います。
副業・兼業人材の採用は、「雇用契約」ではなく、「業務委託契約」となるケースがほとんどです。副業解禁を謳う企業の多くも、「副業は個人事業主として、業務委託契約なら可」としています。というのも、1人の人材を複数の事業者で「雇用」すると、管理面が煩雑になりすぎるためです。
例えば、雇用契約の場合、労働時間は1日に8時間が上限で、これを超える労働をさせる場合は、36協定を結んだ上で、割増賃金を支払う必要があります。そして労働時間は、複数の事業者で「雇用」される場合は通算されます。つまり、A社に雇用されている労働者が、B社で「雇用」されて副業する、となると、A社で働いた時間とB社で働いた時間を合計して1日の労働時間を算定することになります。A社で朝9時から14時までの5時間働いて、その後B社で15時から20時までの5時間働いた、という場合は、「1日10時間働いた=2時間分の割増賃金の支払いが必要」となります。A社もB社も5時間働いてもらったというのは同じですが、割増賃金を負担するのは、通算して8時間を超えて働いていたB社になります。副業人材が自社以外で何時間働いているのか?を把握するのは実際に働いている労働者の自己申告頼り。もし申告内容が間違っていたら、割増賃金の未払いが発生するかもしれません。1日の労働時間の管理だけでも、こんなにメンドクサイ…。雇用主である事業者は他にも様々な義務を負います。このように考えると、「副業・兼業人材の雇用」はあまり現実的ではありません。
業務委託契約の場合、雇用契約で課されるような事業者側の義務はありませんし、契約の終了も容易です。ですが第454回でも取り上げた通り、副業・兼業人材を活用する上では、依頼する仕事を明確にする、コミュニケーションの取り方の工夫など、雇用以上に配慮が必要なものもあります。また、依頼する業務によっては、社内の機密情報、個人情報に触れてもらうことも考えられます。副業・兼業人材だからといって、雇用よりも業務委託契約の方が軽い契約、というわけでは決してありません。やはり、「どのようなスキルを持っているのか」「信用できる人となりか」といった人物像の見極めが非常に重要です。
例えば、スタートアップ企業では、代表者自身が持つ人脈の中から、自社が必要とする特定の分野で高いスキルを持つ人材に直接声を掛け、副業・兼業人材を確保し、うまくスケールアップしているケースを見かけます。もともと持っている人脈なので、相手のスキルだけでなく人となりも分かっているわけですし、人材確保の方法としては手堅いやり方です。これは、どのようなスキルが必要なのか、どんな人に仲間に加わってほしいのか、という人物像が明確になっているからこそ、できる手法といえます。
第459回でもご紹介した「Skill Shift」などの求人サイトを活用するときも、求める人物像を明確にすることが副業・兼業人材採用成功のカギとなります。人材確保はマーケティング!しっかりターゲットを絞り込んで、求める人材と出会えるチャンスをつかんでいきましょう。
経営相談室 スタッフコンサルタント 高松が担当しました。
高松 留美(たかまつ るみ)のプロフィールはこちらからご覧いただけます。
→ 高松 留美(たかまつ るみ)のプロフィール
(2024年1月24日公開)
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