大阪産業創造館には、立志庵や創業チャレンジゼミなど、起業をめざす人たちの集まるメニューがあります。
趣味が事業の種になることがあります!
こうしたメニューを通じて多くの起業をめざす人たちの相談に乗ってきましたが、起業しても事業化できない場合も多く、生き残り続けるのはなかなか厳しいのが現状です。そうしたなかで、当初の事業とは全く違う事業に転換し、しぶとく生き残り続けている経営者がたくさんいます。
当初とは全く違う事業に転換した人たちによくあるパターンのひとつとして、プロ並みの趣味を事業化するケースがあります。
あるIT事業者は開発したソフトウェアが思うように広がっていかない中で、趣味の和楽器の教室を開き、複数の拠点を展開して生徒を増やしています。他にも、オリジナル雑貨の製造販売を行っていた事業者で、趣味を活かして乗り物関連のライセンススクールを開始した人もいます。
こういう器用な人達を見ると、「芸は身を助く」とよく言ったものだと感心してしまいます。
別のパターンとしては、人との縁がきっかけで全く新たな事業に展開していく場合があります。
あるネットショップ運営者は、価格競争で運営が厳しくなるなか、ある日、事業とは無関係の知人から連絡があり、大手小売店での商品の陳列業務をお願いされ、付き合いのある人たちをかき集めて業務を請け負うようになっています。
このような人は、いつも笑顔で人当たりが柔らかく、誠実であると共に、色々な人にマメに連絡しているような、付き合いやすい雰囲気をもっています。「笑う門には福来る」というところでしょうか。
企業は生き物と同様で、環境に適応したものだけが生き残っていきます。事業とは無関係だと思っていた趣味や人脈など、その人が長い時間をかけて築いてきた資産が、実は厳しい環境変化を生き残る上での重要なカギになることがあるのです。
経営相談室 スタッフコンサルタント 泉が担当しました。
泉 仁史(いずみ ひとし)のプロフィールはこちらからご覧いただけます。
→ 泉 仁史(いずみ ひとし)のプロフィール
(2023年10月18日公開)
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