立志庵とは、創業を考えている方が半年間入居し、ワークショップ、勉強会、コンサルタントの面談を通じて事業の準備を進める、大阪産業創造館の14階にある創業支援スペースのことです。
そこでは、半年が終了する時点で立志庵での日々を振り返り、今後の目標・計画を宣言するために成果発表会を行うことになっており、4月14日に私が担当した入居者の成果発表会がありました。
発表者のひとりが「心の壁が事業を前に進める妨げになった」と言っていました。
創業は事業をゼロから立ち上げることであり、創業者は大いなる夢と自信を持っています。しかし一方で、創業未経験であり、かつ成功が保証されていないため、どこに向かえばいいのかわからない、迷子のような不安につきまとわれることがよくあります。
そして不安が心の壁になり、やるべきことの一歩が踏み出せない、ということに陥るのです。
しかし、不安の原因を突き詰めていくと、「うまくいかなかったら無駄になる」「うまくいかず、傷つくのは嫌だ」というようなことがよくあります。
残念ながら、創業で「うまくいかないこと」なしに進むことはありません。
つまり、試行錯誤が必要になるのです。
発表では、「立志庵は自分を使って実験する場でした」「起業家に一番大切なことは実行力です」という言葉がありました。
創業プロセスは、まず仮説である創業計画を立案し、計画を実行に移して検証し、うまくいかなければ修正し、事業化に「にじり寄っていく」というイメージになります。
つまり、「仮説→実行による検証→修正した仮説→実行による検証→・・・→事業化」ということになり、実行による試行錯誤が不可欠なのです。
だから起業を目指す人は、実行をはばむ心の壁・不安が生まれた場合、その原因が金銭的に大きなインパクトを持つようなリスクではなく、自分の心の持ち方次第で克服できるようなものであれば、マインドをリセットして乗り越えて前進しなければならないのです。
そして、その背中を押すのが、経営コンサルタントのひとつの役割でもあるのです。
経営相談室 スタッフコンサルタント 泉が担当しました。
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(2015年4月22日公開)
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