第417回 サステナビリティを取り入れるヒント|なかのひと|大阪の中小企業支援機関。 大阪産業創造館(サンソウカン)

中小企業の経営者・起業家の皆様を支援する機関。大阪産業創造館(サンソウカン)

なかのひと
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サステナビリティを取り入れるヒント

  • サステナビリティとは?
  • サステナビリティの取組
  • サステナビリティを取り入れるための視点

サステナビリティとは?

劇場版「ゆるキャン」がサブスクで配信されたので早速見ました。まったりとした雰囲気、美味しそうなキャンプ飯、富士山を含む雄大な景色など大満足の内容で、映画館で見ることができなかったのが残念です。

注目されるサステナビリティとは?

注目されるサステナビリティとは?

昨年の映画公開に合わせて関連グッズも多く発売されました。中でもリサイクル素材を用いサステナビリティに配慮したものは、映画のイメージに沿った魅力的な商品で、もう少しで買ってしまうところでした。

さて、そもそもサステナビリティ(sustainability)は、日本語で「持続可能性」と訳され、地球環境の保全と経済・社会活動を維持し続けることを意味します。1980年代から登場し、1992年の「地球サミット」で重要視されるようになりました。
取引先からの要請、企業として信用を得るためなどの理由により、近年では、企業経営に考え方を取り入れる企業が増えています。今回はこのサステナビリティをテーマにしました。

サステナビリティの取組

企業が行っているサステナビリティの取組をまとめると以下のようなものに分類されます。

1.環境・社会貢献製品の開発、売上の拡大
環境保護や社会課題解決につながる商品の開発と販売を通じた取組です。例としては、フェアトレードコーヒーがあります。これはコーヒー生産者から正当な価格で輸入することで、途上国の低賃金労働という社会課題を解決し、互いに持続的な発展ができることを目的としています。

2.事業活動の環境負荷低減
自社の事業活動で発生する環境負荷を軽減する取り組みです。あるジーンズメーカーでは、リサイクル技術を活かしてデニムの「裁断くず」から再びデニム製品に生まれ変わらせ、環境負荷低減に取り組みました。

3.働きやすい職場環境の整備と教育実施
サステナビリティに関する教育の実施、法令順守、働きやすい職場づくりを行うものです。海外展開する企業が、現地における雇用環境の整備などをおこなっているケースがこれに該当します。国内企業が、介護や育児をしやすい職場環境を整備することも同じです。

先行してサステナビリティに取組んでいる企業では、グループで共有できる理念を作成し、中長期的なビジョンをまとめています。

例えば、サントリーグループでは、“水に生きる”という約束を掲げ、中長期の取り組みとして整理し実行しています。昨年その一環として、「リサイクルアルミ100%の(CO2削減缶)プレミアムモルツ」を発売し、自社だけにとどまらない温室効果ガスの排出量削減に取り組みました。

企業に対する消費者の目が厳しくなる中で、ブランドの持つ特徴やコンセプトに関連付けたストーリーをつくり製品展開をしている事例ですね。

サステナビリティを取り入れるための視点

サステナビリティを取り入れる場合、まずは顧客や会社の関係者の誰もがやっている行動をよく観察し、持続可能な行動に置き換えられないか探すことから始まります。

サステナビリティは社会的影響力の大きさに注目しがちですが、自社や社会にとってメリットがあるものを検討し、“できること”から実施していくことがポイントです。
また、これからはサステナビリティに取組んでいる事実を、インターネットを通じて、しっかりと伝えていくことも同時に求められます。ビジュアルに凝った綺麗なホームページではなく、継続的に取り組んでいる姿勢を伝えていくことのほうが大切です。

サントリーの事例では、「水と生きる」「天然の森」「水育」といったテーマを伝えるため“note”の公式アカウントを通じて連載をしています。連載を続けることでサステナビリティの活動をしっかりと伝えています。

産創館では、“次の一手! 「環境対応製品」で高めるブランド力”というテーマで「事業推進セミナー」を開催します。
本セミナーでは、サントリーホールディングス株式会社で、サステナビリティに取り組まれている、渡辺雄太課長、中野景介課長をお招きして同社の取組や今後の環境対応製品などについてご講演いただく予定です。

サステナビリティ導入のヒントにお役立てください。

経営相談室 スタッフコンサルタント 大西 が担当しました。

大西 森(おおにし しげる)のプロフィールはこちらからご覧いただけます。
→ 大西 森(おおにし しげる)のプロフィール

(2023年1月18日公開)

大阪産業創造館 経営相談室

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(9:00~17:30※土日祝除く)