第314回 サービス業の「三密」回避の工夫とは?|経営相談室のなかのひと|大阪の中小企業支援機関。 大阪産業創造館(サンソウカン)

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なかのひと
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サービス業の「三密」回避の工夫とは?

  • サービス業が持つ特性
  • 少しでも改善するための工夫
  • フィリップ・コトラーの「プロダクト三層モデル」

サービス業が持つ特性

こんにちは。スタッフコンサルタントの森です。

この原稿を書いているのは令和2年11月30日です。またもや新型コロナウイルス感染症が猛威を振るい、企業活動や日常生活に大きな影響を及ぼし始めました。

厳しい状況を打破する工夫を考えよう

厳しい状況を打破する工夫を考えよう

ニュースでは、「三密」や「五つの小」という対策法が言われています。しかし、理美容業や飲食業などは、サービス・商品の提供にかかわる①「生産と消費が同時」で、②「消費される場所もだいたいが同じ」です。このことは、製造業や流通業にはないサービス業の特性です。残念ながら「三密」を完璧に回避することは難しいといえます。

少しでも改善するための工夫

「三密」を完全に回避することは難しいとしても、自分の生活のため、従業員の雇用を守るためには事業を続けなければなりません。そのためには、今までの事業のやり方を変える必要も生じます。では、どのように変えるのか、改善するのか?

提供する製品やサービスの基本機能を改善することは難しいです。当たり前ですが、例えば、提供する料理それ自体には「三密」を防ぐ力はありません。しかし、宅配にすると、事業者が生産・提供する時間と、お客様が消費する時間、消費する場所を分けることができます。

つまり、提供方法を変えることで問題解決ができるということです。

フィリップ・コトラーの「プロダクト三層モデル」

このことは、製品の基本機能よりも提供方法のほうが改善の余地が大きいことを示しています。

マーケティング学者のフィリップ・コトラーがプロダクト三層モデルという考え方を提唱しています。大きさの違う三つの円が重なって、中心の一番小さい円が製品の基本機能、二番目は製品を入れるパッケージなどの製品の形態、外側の一番大きな円が提供方法と解釈できます。ここでは、円の大きさは改善余地の大きさを示すと理解すればよいでしょう。

皆さんの周りにも入手方法が変わって購入が増えたサービスがあるのではないでしょうか?
提供方法を変えることで売上向上につなげられないかを考えてみてください。

経営相談室 スタッフコンサルタント 森 が担当しました。

(2020年12月9日公開)

大阪産業創造館 経営相談室

06-6264-9820
(9:00~17:30※土日祝除く)