緊急事態宣言が明けたので、さっそく2年ぶりに京都に出かけました。
商店街をブラブラしたり、お寺参りで疲れたので、前から行ってみたかった茶房に行くことにしました。京都を代表する老舗の和食料亭がやっている茶房で、美しい和風のお庭を眺めながら、ランチやパフェが楽しめるところです。
老舗になるには理由がありますね!
私たちは看板メニューの抹茶パフェを頼みました。しばらくしてパフェが出てきました。
緑色のガラスのスプーンがパフェに刺さっており、お店の方がスプーンの抜き方を説明してくれました。抹茶アイスが2段になっているため、教えられたとおりにスプーンを抜こうとすると、アイスが倒れてきそうで抜くのが難しい。
斜め前のテーブルで食べている女性は「怖い~」と大騒ぎしながら、5分以上スプーンを抜くことができませんでした。
ようやく抜けると、スプーンのすくう部分に厚みがあり、ガラス製ということもあって口触りが滑らかな感じで面白いのですが、厚みがあるがゆえにアイスをすくおうすると、うまくアイスに入っていかず、またアイスが倒れそうになります。
しかも、スプーンの柄が微妙に曲がっているため、スプーンの向きを調整するのが難しく、今まで経験したことがないほど食べづらい。
「食べにくいな」「ちょっと慣れてきた」とか言いながら、濃い抹茶のパフェを楽しみました。
この店は人気店で、私たちも入るのに少し待たされました。
儲けだけを考えると、回転率を上げる方がいいので、スプーンを抜くのに時間がかかるようなことはしないはずです。単に食べるだけでなく、遊びや会話、そしてお店でゆったりと過ごしてもらう演出なのでしょう。
和食料亭のパンフレットを見ると、有名料理人の社長のあいさつには、「当店はお祝いや法事の際に、普通の人に使ってもらう飯屋である」と書いてありました。
また、和食料亭(本店)とこの茶房の他にも、カウンター席だけのお店がありました。
価格レベルとしては、茶房でのランチが5千円、カウンター席で8千円~、本店では15千円~55千円となっています。
有名な老舗料亭で敷居が高い印象だったのですが、普通の人たちがそれぞれの懐具合で楽しめる工夫がなされています。
パフェをきっかけに、老舗の食事に対する深い洞察と技術、新たなお客様を創造するための努力、そして老舗ならではの圧倒的な自信とゆとりを感じました。
経営相談室 スタッフコンサルタント 泉 が担当しました。
泉 仁史(いずみ ひとし)のプロフィールはこちらからご覧いただけます。
→ 泉 仁史(いずみ ひとし)のプロフィール
(2021年10月27日公開)
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