ドラマ「陸王」が好調のようです。原作小説のことは以前にブログでも書きました。役所広司、寺尾聰、阿川佐和子と演じている役者さんも、小説で私が勝手に想像していた印象に近い感じです。
物語は老舗の新規事業開発ですが、その苦労は創業にも通じるものがあります。
役所広司演じる宮沢社長は「金儲けだけじゃなくてさ、その人が気に入ったら、その人のために何かをしてやる。喜んでもらうために、何かをする」という台詞を言っていますが、これは、創業社長の気持ちにも通じるものでしょう。
これまで述べてきたとおり創業した多くの企業の売上高は年間500万円前後に留まり、原価を控除すると創業社長の推定年収は、我が国の平均年収を下回る可能性があることが示唆されました。
創業は金儲けだけを考えていたら取りにくい選択です。しかし、企業はリスクを取り事業を継続することを通じて、徐々に顧客や仕入先や従業員等の関係者との信頼関係を築くことで成長していくものです。
それは、「ビジネスというのは、ひとりでやるもんじゃないんだな。理解してくれる協力者がいて、技術があって情熱がある。ひとつの製品を作ること自体が、チームでマラソンを走るようなものなんだ」という台詞にも通じるものです。
順調に成長することに成功すれば、企業規模が拡大や売上金額が増大につながり、経営者の役員報酬も増加していきます。立志庵の卒業生アンケートを通じて、時間の経過と成長の程度を推定してみましょう。
今回のアンケートだけでは、これまでの売上高を全て聞いているわけでもなく、卒業企業を固定しての厳密な追跡調査も行っていないため、創業から今までの売上高の変化を追いかけることはできません。
そこで、過去年度の調査も用いて、複数年にわたる成長率から1年あたりの幾何平均を求めるCAGR(年平均成長率)を算出します。平成16年アンケートにも回答があった企業のCAGR比較は6%弱となりました。
同様に平成19年対比では9%強、平成24年対比では16%強となりました。こうしてみると、創業から4~5年が成長著しいように見えます。成長にはどうやらスタートダッシュが肝心なようです。
当経営相談室では、年間約6,000件の御相談に対応しています。スタートダッシュで成長を実現するための新たな知恵を一緒に考えてみませんか。一人で悩まずに、まずはお気軽にお電話ください(経営相談:06-6264-9838)。
経営相談室 スタッフコンサルタント 服部 が担当しました。
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(2017年11月22日公開)
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